「ささやきを聴く」秋山泉 展

　画家・秋山泉の個展「ささやきを聴く」がMITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYで開催される。日本橋三越本店での個展は今回が初となる。

　鉛筆ならではの精緻な塗り重ねによる柔和な空間に、静謐な空気感が漂う秋山の絵画。蝋燭といった身の回りにあるものをモチーフとしたその作品は、日常のひとこまから不思議な世界をとり出して、私たちに穏やかなひと時を体験させてくれる。

　本展では、秋山の新作および近作を合わせた約20点を一堂に展覧する。作家は本展に寄せて、次のように述べている。

「ものの声を聴くということ。
それは静かで、儚くて、ちいさいから、聴こうとしなければ聴こえない。
普段の自分ではたぶん聴きとれない。
静かなものたちと近い温度にならないとそれに気がつけない。
私はいまその声に気がつける自分でいるだろうか。
身近にあるそういうものたちをゆっくりと見つめる時間を持って、
ものがそこにあるという静かで確かなできごとを描きたい（秋山泉）」。