EXHIBITIONS
奥谷博―無窮へ
60年以上にわたり、絵画の平面性に対峙してきた画家・奥谷博(おくたに・ひろし)の展覧会「奥谷博—無窮へ」が、神奈川県立近代美術館 葉山で開催される。
奥谷は1934年、高知県幡多郡宿毛町(現・宿毛市)生まれ。55年に東京藝術大学美術学部油画科に入学し、林武に師事する。63年に同大学専攻科を修了後、66年に独立美術協会会員となり、同会を中心に個展やグループ展で作品を発表する。2007年に文化功労者、17年に文化勲章を受章している。
20世紀後半の美術界で抽象画が流行していたなか、奥谷は具象画を追求。とくに1960年代半ばに厚塗りから薄塗りへと描画技法を切り替えて以降、緊密な構成のなかに色彩を大胆に対比させつつ、微細な筆致を重ねて描くという独自の、幻想性さえも感じさせる画風を確立した。その対象は風景から静物、動物、自身や家族、世界遺産や名刹の仏像と多岐にわたるが、それらに対する深い洞察は、高知の宿毛で過ごした少年時代から首尾一貫したものだ。
本展では、1950年代から現在に至る代表作72点に、上京する前に宿毛で描いた貴重な初期作品38点を加えて、奥谷の尽きることのない創作の全貌を紹介する。
奥谷は1934年、高知県幡多郡宿毛町(現・宿毛市)生まれ。55年に東京藝術大学美術学部油画科に入学し、林武に師事する。63年に同大学専攻科を修了後、66年に独立美術協会会員となり、同会を中心に個展やグループ展で作品を発表する。2007年に文化功労者、17年に文化勲章を受章している。
20世紀後半の美術界で抽象画が流行していたなか、奥谷は具象画を追求。とくに1960年代半ばに厚塗りから薄塗りへと描画技法を切り替えて以降、緊密な構成のなかに色彩を大胆に対比させつつ、微細な筆致を重ねて描くという独自の、幻想性さえも感じさせる画風を確立した。その対象は風景から静物、動物、自身や家族、世界遺産や名刹の仏像と多岐にわたるが、それらに対する深い洞察は、高知の宿毛で過ごした少年時代から首尾一貫したものだ。
本展では、1950年代から現在に至る代表作72点に、上京する前に宿毛で描いた貴重な初期作品38点を加えて、奥谷の尽きることのない創作の全貌を紹介する。