EXHIBITIONS

いのくまさんとマチス先生

みぞえ画廊福岡店
2022.02.19 - 03.06

猪熊弦一郎 メキシコの思い出 1956-57 © The MIMOCA Foundation

 みぞえ画廊東京店で開催された猪熊弦一郎の展覧会「いのくまさんとマチス先生」が福岡店に巡回する。

 猪熊が憧れのパリに渡りアトリエを構えたのは1938年の時。アンリ・マチスに何度か会い、「お前の絵は上手すぎる」と言われたことが一生の教訓になったと言う。それは人によく見てもらいたいと思うあまりに「自分の絵になっていない」ということだった。そしてそれは画家・猪熊弦一郎の新たな出発点でもあった。

 2年ほどのパリ滞在期間において、猪熊は作品の様相を次々と変えていった。濃密な約2年間の後も、猪熊は制作活動を通じ、「自分の表現とは何か」「美しさとは何か」を問い続け、画家人生において作風を時代とともに変化させた。

 本展では、みぞえ画廊のコレクションを中心に、猪熊の画業の変遷を紹介する。

 なかでも見どころとなるのは、猪熊がニューヨークを拠点に活動していた時の大作《メキシコの思い出》(1956〜57)の日本初公開。この展覧会のためにアメリカから入手した大作で、猪熊がニューヨークでの2回目個展をウィラード・ギャラリーで開催した際の出品作だ。

 本展では、各時代の絵画や版画、マチスからその重要性について強く影響されたデッサン、加えて猪熊に宛てたマチスからの手紙(複製)や、猪熊とマチスが写った写真などの資料も展示する。