EXHIBITIONS

安野光雅 追悼展

安野先生のふしぎな学校

安野光雅美術館コレクション

2022.02.25 - 03.27

安野光雅 「ふしぎなのり」『はじめてであうすうがくの絵本1』より 1982 ©︎ 空想工房 画像提供=津和野町立安野光雅美術館

安野光雅 「旅人とクマ」『きつねがひろったイソップものがたり1』より 1987 ©︎ 空想工房 画像提供=津和野町立安野光雅美術館

安野光雅 「春がきた」『歌の絵本―日本の唱歌より―』表紙 1977 ©︎ 空想工房 画像提供=津和野町立安野光雅美術館

安野光雅 「伯林 ベルリン」『西洋古都』より 1981 ©︎ 空想工房 画像提供=津和野町立安野光雅美術館

安野光雅 「マッチの種」『空想工房の絵本』より 2014 ©︎ 空想工房 画像提供=津和野町立安野光雅美術館

 美術館「えき」KYOTOで、「安野光雅 追悼展 安野先生のふしぎな学校 安野光雅美術館コレクション」が開催される。

 安野光雅は1926年島根県津和野町生まれ。子供の頃より絵を描くことを好み、画家になることを夢見ていた。戦後、20代前半で小学校の代用教員になった安野は、上京したのち小学校の美術教師を勤めながら本の装丁などを手がけた。当時は教科書が十分になかったため、教える内容や方法を自身で考えながら授業をしていたと言う。

 61年に画家として独立、68年に初となる絵本『ふしぎなえ』を刊行。豊かな好奇心と想像力で独創性に富んだ作品や、淡い色調の水彩画で描いた風景画など数多くの作品を発表し、その才能の豊かさは芸術の世界だけにとどまらず、科学・数学・文学にまでおよび多くの著作を残した。『もりのえほん』や『天動説の絵本』をはじめ、安野の作品に見られる独特な世界観は、幼少時代に里山で触れ親しんだ自然や、教員時代に試行錯誤した経験によって生み出された。

 2020年12月、94歳でこの世を去るまで、作品を通して自分で考えることの大切さを教えてくれた安野。その追悼展として本展は、文字や数字、風景まで「安野先生」ならではの楽しみ方が詰まった作品を授業の科目に見立てて紹介する。

 合言葉は「インタレスト!」。安野先生の学校に入学した気分で、様々な不思議を感じ、考え楽しみながら鑑賞したい。