山本容子＆和田誠展「2人のシネマ」

　ギャルリー東京ユマニテで、山本容子と和田誠のコラボレーション展「2人のシネマ」が開催される。

　銅版画家、画家として幅広いジャンルで活躍する山本容子、そして、イラストレーター、グラフィックデザイナーのみならず日本のアートシーンに大きな痕跡を残した和田誠。2人の交流は1990年代、愛猫シジミの絵本制作のため、和田が自身初の銅版画制作の手ほどきを山本から受けたことに始まった。

　その後、1998年には2人の初コラボレーションとなる油彩作品の展覧会をギャルリーユマニテの名古屋、東京店で開催。また映画好きの2人が互いに少しずつ筆を進めて完成させた100号大（112.1×181.8センチメートル）の大きなキャンバスには、《天井桟敷の人々》《ゴッドファーザー》《アラビアのロレンス》《スターウォーズ》などの名作が描かれた。

　今回のコラボレーション展は、山本と和田が1998年に発表した4点に加え、同年の2点《第三の男》《七人の侍》を含む計6点の油彩を、24年ぶりに東京で展示する。

　2021年の東京オペラシティ アートギャラリーで開催された大規模個展でその仕事が再評価された和田。生前の山本との油彩コラボレーション作品も多くの人に鑑賞してほしいと本展の開催に至った。また会場には、油彩のほかに山本と和田それぞれが思い出ある映画をモチーフに手がけた銅版画も紹介する。

　さらに、ギャラリー地下の展示スペースでは、実際の制作の様子を撮影したビデオも公開。作家2人の貴重なコラボレーション世界を楽しみたい。