EXHIBITIONS

サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇

2022.03.23 - 05.08

木村蒹葭堂(きむらけんかどう) 花蝶之図 江戸時代 関西大学図書館蔵 ※後期展示

与謝蕪村 薄に鹿図 江戸時代 愛知県美術館(木村定三コレクション)蔵 ※前期展示

岡田米山人(おかだべいさんじん) 秋山蕭寺図(しゅうざんしょうじず) 1807(文化4) 個人蔵 重要美術品 ※前期展示

北野恒富 花の夜 c.1921(大正10頃) 関西大学図書館蔵 ※3月23日~4月3日展示

 京都国立近代美術館が展覧会「サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇」を開催する。

 江戸時代、京都では文人画家の池大雅や与謝蕪村、実物写生に基づく絵画で人気を博した円山応挙、蕪村と応挙に学んで叙情的な画風を確立した呉春など、個性あふれる画家が活躍していた。

 いっぽう、大坂では、木村蒹葭堂(きむらけんかどう)、岡田米山人など、町人としての本業がありながら、自ら楽しんで絵画を描いた文人が数多くおり、身分や職業に関わりなく、幅広い交流の輪をつくった。また大坂には、円山・四条派の流れを汲む画家も多く、大坂の写生派の画家として活躍した西山芳園は、淀川の三十石舟を利用して松村景文に学ぶなど、京都と大坂は密接な関係のなかで発展を遂げ、文化サロンともいうべき濃密な文化人のネットワークが形成された。

 さらに、京都や大坂にはほかの地域から多くの文化人が集まり、浦上玉堂、田能村竹田、谷文晁らもこの文化サロンの一員だった。こうした文化人のネットワークは近代に至っても見られ、大阪で活躍した菅楯彦や北野恒富らの交流や、京都の如雲社を中心と交流がよく知られている。

 本展は、江戸時代から近代にかけて、京都と大坂で活躍した画家の代表的な作品を紹介するとともに、その交流によって形成された文化サロンにも焦点を当て、当時の文化交流の様相をひも解くもの。

 大英博物館、ロンドン大学SOAS、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)、京都国立近代美術館が中心となって、様々な専門分野の研究者と共同で行ってきた研究を基盤とした、国際的な視野に立って京・大坂の美術を通覧する初めての大規模展覧会となる。