EXHIBITIONS

金氏徹平 S.F.(Something Falling/Floating)

2022.04.16 - 06.26

金氏徹平 Smoke and Fog(マテリアルのユーレイ) 2021

金氏徹平 Smoke and Fog(Roadside Noguchi) 2019(Japan Society NYでの展示風景)

金氏徹平 Smoke and Fog(City of Stones and Noodles) 2020

金氏徹平 ボイルド空想(マテリアルの ユーレイ) 2017 高橋龍太郎コレクション

金氏徹平 S.F.(Summer Fiction) 2018(大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018) Photo by Keizo Kioku

 美術家、彫刻家・金氏徹平による個展「金氏徹平 S.F.(Something Falling/Floating)」が市原湖畔美術館で開催される。

 金氏は1978年京都府生まれ。2001年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)に交換留学し、2003年に京都市立芸術大学大学院彫刻専攻を修了。身の回りのものを既存の意味や用途から解放しつなげていくコラージュ的手法で、新たな形象や風景をダイナミックに現出させてきた。また文学や演劇と、ますます多様な領域を横断し、様々なコラボレーションに取り組み、国内外で活躍し続けている。

 近年の多様な領域での経験を踏まえ、金氏は本展において、改めて「彫刻」に向かいあう「S.F.」シリーズの最新作《S.F.(Something Falling/Floating)》を披露する。

 新作の素材に選んだのは、都市と自然、自然と人工のあいだにあるものや、都市や時代の記憶の断片を残すものたち。市原市内を巡り収集した使用済みのコンクリートや石など、自然と人為の狭間にある素材、物質をコラージュしたインスタレーションを、大地の芸術祭(2018)でもタッグを組んだ照明デザイナーの高田政義が演出する。

 また新作のほか、ニューヨークのJapan Societyで好評を得た日本初公開となる《Smoke and Fog (Roadside Noguchi)》を含め、立体と平面の約50点により展覧会が構成される。

 コロナ禍によって人とつながることが難しくなった時、「まだ自分が何者でもない頃」を思い出したという金氏。「何とも繋がっていない状態だからこそ、想像力が膨らみ、遠くの、もっと広い場所へと繋がれるのではないか」と自身の創造の原点に立ち戻り、市原湖畔美術館を舞台につくり出した「S.F.ワールド」で、新たに「彫刻」を問う。