FriendsWithYou「Beautiful War」

　NANZUKAは、ロサンゼルスを拠点に活動するFriendsWithYouの個展「Beautiful War」を開催。会場は、NANZUKA UNDERGROUND（5月15日～6月12日）、NANZUKA 2G（2022年5月12日〜5月24日）、3110NZ by LDH kitchen（5月17日〜6月18日）。

　FriendsWithYouは、2002年にサミュエル・アルバート・ボークソン（1979年アメリカ・マイアミ生まれ）とアルトゥーロ・サンドヴァル3世（1976年キューバ・ハバナ生まれ）がロサンゼルスで結成したアートコラボレーション。「Magic」「Luck」「Friendship」というコンテクストに基づき、心の回復を探求する体験型の作品を通じて、人々のなかにある愛と喜びを育みながら、互いや私たちが生きる地球に対しての思いやり、癒し、分かち合える環境の創造を目指している。

　大掛かりなインスタレーションや没入型の展覧会プランを含む2人の作品は、しばしば他者の存在によって初めてその作品が作用する「関係性の美学」という文脈に基づいて語られるが、その本質的な特徴は、イノセントな子供の視点を取り入れた、より直感的で、しばしば偶発性や遊びの観点を重要視するという点にある。

　本展では、FriendsWithYouが掲げるコンセプトの「Ocean（地球を見直し、独自の倫理観と神話を創造し、世界を一つにする装置）」に基づいた絵画と立体作品の新作を発表する。

　新シリーズ「Beautiful War」は、オープンソースのスピリチュアルなツールをつくるという着想から生まれたもの。古典的な題材と新旧混ざり合う様々なアーキタイプを用いて完成した作品は、物語性と体験性のあいだを行き来し、そのなかで鑑賞者が一部になって参加できる新しい物語のかたちを示唆する。

「Beautiful War」は、「戦争」を起こす人間の競争的な性質と相容れない「美しい」という感性を持つ人間に対する逆説的な問いかけであり、そこには人間の創造性が本来持っている自由な想像力、癒しの力、希望への原動力といった根源的なエネルギーに忠実であろうとするFriendsWithYouの姿勢が伺える。