ミュージアムグッズから坂本龍一のロング・インタビューまで。2023年のベスト記事10選(プレミアム)
2023年にウェブ版「美術手帖」プレミアムで掲載した記事のなかから、もっとも読まれた10記事を紹介。人気の記事で今年を振り返ってみてはいかがだろうか。
2023年にウェブ版「美術手帖」のプレミアム記事として掲載したものから、もっとも読まれた記事ベスト10を紹介。年末年始に今年を振り返りながら読み返してみてはいかがだろうか。
※今年公開された記事を対象に、2023年1月1日〜12月27日の期間で累計ページビューを計測した。
驚異のガウディ人気
なんと、今年のプレミアム記事でもっとも読まれたのは、「ガウディの世界に浸る。ガウディ展で買いたいグッズ5選」(6月13日掲載)だった。本稿は、東京国立近代美術館で開催された「ガウディとサグラダ・ファミリア展」の会場内特設ショップで取り扱われている豊富な種類のグッズのなかから、編集部がとくに注目するものを5つピックアップして紹介するというもの。
ミュージアムグッズの紹介記事は今年からスタートしたものだが、ベスト10のなかに3記事もランクインしており、アートファンのグッズへの熱視線を証明するものとなった。
みんな大好き、ミュージアムカフェ
2位は、「「NEZUCAFÉ」から「HARIO CAFE」まで。都内で行くべきミュージアムカフェ・レストラン10選」(4月29日掲載)。こちらは三菱一号館美術館の休館に伴い、その内容をアップデートした再編集版。都内のミュージアムに併設されているカフェやレストランを、「青い日記帳」主宰の中村剛士が案内する人気コンテンツだ。カフェを基準にどの美術館に行くかを決めてみるのもおすすめ。
追悼・坂本龍一
今年3月、惜しまれつつこの世を去った音楽家・坂本龍一。3位は、氏の生前にニューヨークのスタジオで行ったロング・インタビュー「坂本龍一ロング・インタビュー。あるがままのSとNをMに求めて」(1月17日掲載)となった(初出は雑誌『美術手帖』2017年5月号の坂本龍一特集)。
聞き手は坂本と親交のあった松井茂(詩人・情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授)。坂本龍一が考えるS(サウンド)とN(ノイズ)、そしてM(ミュージック)とは一体なんだったのか? 17年のアルバム『async』の制作のほとんどを行ったというニューヨークで坂本が語った言葉の一つひとつが貴重なものとなった。当初、本稿は最新アルバム『12』の発表にあわあせて掲載したものだったが、奇しくも氏の逝去によって、さらに多く読まれる結果となった。
知られざる大学美術館の世界へ
4位は、大学が有する美術館・博物館をまとめた「いくつ行ったことある? 一般入場ができる大学美術館・博物館まとめ」(9月30日掲載)。
大学の研究資料やコレクションを所蔵しているのが「大学美術館・博物館」。その存在は知っているものの「行く機会があまりない」「そもそもキャンパス内に入っていいのだろうか」と入場することに躊躇った経験がある人も少なくはないのでは? ここでは社会人にとっても見ごたえのある施設をまとめてご紹介。随時新規の施設も追加していくので、要チェックだ。
ゴッホはグッズも人気
東京・新宿のSOMPO美術館で2024年1月21日まで開催中の「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」。そのグッズ紹介記事「日常のなかで使えるゴッホグッズをピックアップ。『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』で注目のグッズ5選」(10月22日掲載)が5位となった。
同展は、SOMPO美術館を象徴する《ひまわり》を起点にフィンセント・ファン・ゴッホと西洋絵画の巨匠たちの静物画を紹介する展覧会。グッズも人気で、なかでも帽子を被った自画像のゴッホをイメージしたゴッホ美術館コラボのミッフィーと、《花咲く桃の木》柄のドレスを着たクレラー・ミュラー美術館コラボのミッフィーは手に入れておきたい。そのほかのラインナップは記事をチェック。
マティスをもっと知るために
今年注目を集めた展覧会のひとつに挙がるのが、東京都美術館の「マティス展」。2004年の国立西洋美術館以来、約20年ぶりに日本で開催されるアンリ・マティスの大規模回顧展ということで、44万人もの動員を記録した。本稿「マティスの鑑賞が楽しくなる、意外な10のエピソード」(4月26日掲載)は、そんなマティスをもっと深く知るための、意外に知られていない10のエピソードを紹介するもの。来年も国立新美術館でアンリ・マティスの切り紙絵に焦点を当てる「マティス 自由なフォルム」展が開催されるので、あらためてこの記事でマティスのことを学んでみてはいかがだろうか。
2023年、どれ見た?
7位は、23年の元旦に掲載した「ホックニー、重要文化財、ポケモンと工芸、イヴ・サンローランまで。2023年に注目すべき展覧会ベスト45」。読者のみなさんはこのなかからいくつの展覧会を制覇しただろうか? なお24年元旦にも同様の記事を掲載するのでお楽しみに。
坂本龍一と李禹煥
坂本龍一が敬愛し、最後のアルバムとなった『12』のジャケットを手掛けたアーティスト、李禹煥。8位はこのふたりのつながりを紐解く、松井茂によるテキスト「坂本龍一、李禹煥に出会う──解体から沈黙へ」(4月7日掲載)。年齢や出自が違う彼らをつなぐものとは何だったのか? 本記事は、アルバム『12』を紐解くためのコラムの第二弾。坂本の生前に書かれたものだ。なお李禹煥によるアルバムジャケットの原画《遙かなるサウンド》は、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で開催中の「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」で見ることができる。
充実のホックニーグッズ
東京都現代美術館で開催されたデイヴィッド・ホックニーの大規模個展「デイヴィッド・ホックニー展」は、グッズも秀逸だった。図録はもちろんのこと、定番のトートバッグのほか、ハンカチやうちわといった思わず買ってしまいたくなるものがラインナップ。「絵画への探求を生活の傍らに。『デイヴィッド・ホックニー展』で注目のグッズ5選」(7月21日掲載)では、そんなグッズを紹介した。展覧会そのものも20万人以上の動員を記録したが、それを反映するようにグッズにも注目が集まったと言える。
建築も楽しめる美術館へ
全国に多数存在する、建築が特徴的なアート施設。10位の「建築も楽しめる全国の美術館・アートスポット BEST35」(4月28日掲載)は、2020年11月掲載記事の再編集版。近年開館した注目の施設から、知る人ぞ知る地方の美術館の名建築まで、45ヶ所を一挙に紹介するものだ。この記事は来年もアップデートする予定なので、引き続きぜひチェックしてほしい。
」近年開館した注目の施設から、知る人ぞ知る地方の美術館の名建築まで、ぜひ訪れてみてほしい