ルアンルパが「ドクメンタ15」で目指すもの。「私たちは世界の一部としてここに生きている」
2022年6月18日から9月25日まで開催される、国際現代芸術展「ドクメンタ15」。これまでの“アートの祭典“とはまったく異なる様相に、賛否両論、熱い議論が巻き起こっている。今回の芸術監督に抜擢されたインドネシアのアート・コレクティブ「ルアンルパ」のメンバー、レザ・アフィシナと、アーティストチームのひとり、フレデリケ・ハンゼンに話を聞いた。
公式オープンの前日。2人は楽しそうに連れ立ってやってきた。
「開幕のプレスカンファレンスはもう最高にハッピーでした。関わってくれた人皆に感謝を伝え、一緒に開幕をお祝いできましたからね!」ルアンルパの芸術監督選出が発表されたのは2019年2月のこと。そのときから彼らの態度表明は明確だった。自分たちは招待される側ではなくドクメンタが彼らに招待されているのだと。
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「歴史あるドクメンタのシステムに私たちを組み入れるのではなく、私たちは独自の道を行き続けることに決めました。(芸術監督に招待されるのではなく)私たちはドクメンタを私たちの旅の一部になってくれるように招待し返します。何よりも私たちはヨーロッパの、制度化されたアジェンダに搾取されることを拒否します。その代わり、私たちの努力に貢献するドクメンタをつくりたいと思います」(ドクメンタ15公式ハンドブックより)
ルアンルパがドクメンタ15の核をなすアイデアとして掲げたのが「ルンブン(LUMBUNG)」だ。インドネシア語で共同体が共有するお米の倉を表す言葉で、知的かつ物的資源を共有し、お互いの能力を分け合っていこうというのだ。