上海当代芸術博物館で開催。上海ビエンナーレが参加アーティストを発表
中国最大級の現代美術ビエンナーレとして広く知られている上海ビエンナーレが、参加アーティストを発表した。上海の発電所をリノベーションした上海当代芸術博物館で、11月10日から2019年3月10日まで開催される。
中国本土最初の国際的現代美術ビエンナーレとして広く知られている上海ビエンナーレが、11月10日から2019年3月10日まで上海当代芸術博物館で開催される。1996年に設立されたこのビエンナーレは、22年の時を経て、現在世界でもっとも重要なアートイベントのひとつとして評価されており、上海の文化的なアイコンとなっている。
今年第12回となる本イベントは、中国の神話に由来する言葉であり、片足を引きずって歩くことや、足が不自由なことを表す「禹歩(うほ)」がテーマ。また、英語のテーマ「Proregress」は、アメリカの詩人、E・E・カミングスによって創りだされた「進行(progress)」と「退化(regress)」を組み合わせた言葉だ。
このテーマについて、今回の共同キュレーターのひとり、王慰慰(ワン・ウェイウェイ)は、「歴史が展開するなかで見られる複雑さとアンビバレンスに焦点を当てています。私たちは歴史がいつも前進しているように錯覚しますが、実際には退行することもあります」と語っている。
今回のキュレーション・チームでは、メキシコ出身のキュレーター、クアウテモック・メディナがチーフ・キュレーターとして勤め、マリア・ベレン・サエズ・デ・イバッラ、神谷幸江、王慰慰が共同キュレーターを担任する。
本展では、フランシス・アリスや小泉明郎、楊福東(ヤン・フードン)、米田知子など、70人のアーティストが最新作を披露。キュレーター・チームは、「グローバルな進退関係における作品の詩的な試みを探ります。芸術的な実践と具体的な作品を通し、政治的、文化的、経済的に追いやられている人々に対する感受性を高めたい」とコメントしている。