「見ることの不思議」を独自の絵画表現へと昇華させた7名の画家。群馬県立館林美術館でのグループ展に伊庭靖子、児玉靖枝、日高理恵子ら参加
「見ることの不思議」を独自の絵画表現として深めてきた7名の画家による展覧会「みつめる-見ることの不思議と向き合う作家たち-」が、群馬県立館林美術館で開催される。作家は、浅見貴子、伊庭靖子、金田実生、児玉靖枝、津上みゆき、日高理恵子、水村綾子。会期は7月13日〜9月16日。
見ることと感じることの神秘を、絵画空間でのみ表しうる独自の表現へと深めてきた7名の作家を紹介する展覧会「みつめる-見ることの不思議と向き合う作家たち-」が、群馬県立館林美術館で開催される。
本展に参加するのは、樹木のある空間を紙の裏側から墨を滲ませた際の濃淡によって描画し、水墨画の伝統から新たな可能性を引き出してきた浅見貴子、柔らかい布、硬質な磁器など日常的なモチーフを取り巻く光に注目し、ものの存在を質感でとらえて描き出す伊庭靖子、気配や湿り気、植物の香りなど、ふとしたできごとを五感で受け止めてドローイングへとつなげる金田実生、樹木や風景を描画した上から絵の具で薄く覆い、画面のレイヤーを通じて幻想的な印象と物質感を往還する児玉靖枝、あるとき/ある場所の光や風をはらむ海や空や街路の情景をかけがえのないものとしてスケッチし、線とかたちと色相の響き合いへと置換する津上みゆき、樹々の間から見る空を樹木の複雑な構造を通して、画面上に生じる「空間」の不思議を問う日高理恵子、大気や水に満たされた大きな広がりを連想させる幻想的な世界を繊細かつ深遠な色調で表現する水村綾子。
各作家は、現実世界と絵画世界の関係性の探究と新鮮な発見を求め、意識的に挑戦を続けてきた。日常を見つめる透徹した眼差しを持って、つねに新たな表現を模索してきた7名の競演を見たい。