イム・ミヌク「Hyper Yellow」が駒込倉庫で開催。大林財団《都市のヴィジョン》第4回
公益財団法⼈⼤林財団が2017年から隔年で⾏ってきた助成事業《都市のヴィジョン》第4回の助成対象者イム・ミヌク。その展⽰「Hyper Yellow」を駒込倉庫で始まった。会期は3月12日まで。
公益財団法⼈⼤林財団が2017年から隔年で⾏ってきた助成事業である《都市のヴィジョン》。その第4回の助成対象者であるイム・ミヌクの展⽰「Hyper Yellow」を駒込倉庫で始まった。会期は3月12日まで。
ミヌクは韓国のアーティスト。映像、インスタレーション、パフォーマンス、⾳楽など、様々な表現⼿段を取り⼊れ、思考の幅を拡張して、ジャンルやメディアの境界を超えた多様な作品を制作する。急速な社会経済的な発展、再開発とその結果として⽣じるコミュニティの移動など、社会、マスメディア、政治と市⺠の関係といったテーマに、⻑期的に取り組んでいる。
ジャンルの拘束と規定からの脱却を試みるパフォーマティブな形式を通じて、「消えたもの、⾒えないものを追跡」する美的実践を続けているミヌク。
本展は、イムの2年間にわたる⽇本でのリサーチとクリエーションの成果として、ドローイングとオブジェ、映像インスタレーションを含むおよそ20点の新作を発表するもの。
タイトルにある「Hyper Yellow」は「⻩⾊を超越した」状態を示しており、特定の⾊や⼈種を指す⾔葉を越え、どこにも存在しないが、どこにでも存在する境界線の意味を問いかけるものだ。その⻩⾊を表現したドローイングと新作《ポータブルキーパー》は、テラコッタの粉を使って制作。1100℃で焼かれたテラコッタを粉砕し、散布し、乾燥させる作業を繰り返すことで完成した⻩⾊は、炎を象徴しているかのようだ。
また映像作品《東海史(East Sea Story)》は、イムが屋形船で撮影した東京の夜景、東⼤寺の⽕の祭典「お松明」と⽔の祭り「深川⼋幡祭り」を撮影した映像に、3Dグラフィックやアニメーションを組み合わせた観光ドキュメンタリー。この作品では、⾒慣れたものと⾒知らぬものの間を常に⾏き来しながら街を旅する観光客の視点によって、観客に最も具体的な瞬間と最も抽象的な経験を同時に与えることを試みる。