沖縄戦を手がかりに探る、多層的な場所のイメージ。佐々木友輔の映画『TRAILer』が沖縄で初上映
映像作家の佐々木友輔が沖縄戦をテーマに制作した映画『TRAILer』が、撮影地の沖縄県で初めて上映される。
1985年兵庫県生まれの映像作家・佐々木友輔は、映画制作を中心に、展覧会企画や執筆など様々な領域で活動し、人間の生きる場所と風景の問題に取り組んでいる。
今回、撮影地である沖縄で初めて上映される『TRAILer』(2016)は、1945年に米軍が沖縄本島に初めて上陸した読谷村・渡具知と、同年6月に日本軍の組織的抵抗が終了した摩文仁の丘という2つの地点を、GoogleMapのみを頼りに結ぶ旅を撮影したもの。
作品内で朗読されるテキストは、美術批評家の土屋誠一がアメリカ陸軍省戦史局編纂の公式戦記『沖縄戦』を引用しながら執筆。朗読は、詩人のカニエ・ナハが担当する。沖縄戦を手がかりとして、映像とテキスト、声と音楽が多層的な場所のイメージを形成する作品となっている。
当日は、再開発が進む街の歴史を1組の夫婦の追憶を通して描く過去作『新景カサネガフチ』(2010)も同時上映。上映終了後には、佐々木友輔と土屋誠一によるトークも開催される。