「ロエベ クラフト プライズ 2018」受賞者が決定。日本からは桑田卓郎が特別賞を受賞
ファッションブランド・ロエベによる「ロエベ財団」が2016年に創設した「ロエベ クラフト プライズ」。第2回となるこのコンテストのファイナリスト30名から受賞者が決定し、5月3日に発表された。
ロエベのクリエイティブディレクター、ジョナサン・アンダーソンが発案した「ロエベ クラフト プライズ」は、今日の文化における工芸の重要性を認知し、現在活躍する職人の才能、ビジョン、革新性が将来の規範となるよう奨励するコンテスト。ロエベが1846年、職人たちが集まる工房としてスタートしたことを起源とし、現代の優秀かつ美的価値のある斬新なクラフツマンシップの発掘と顕彰を目的としている。
2018年度は、75ヶ国以上の国と地域からを1900近くの応募作品が寄せられ、20名のファイナリストが選出。このたび厳正な審査を経て受賞者が決定、発表された。
優勝者はスコットランド出身の陶芸家、ジェニファー・リー。精巧な伝統技術をベースに、メタリックの酸化物を混ぜ着彩されたリーの作品に対して、ジョナサン・アンダーソンは「ジェニファー・リーは僕にとって“フォームのランドマーク”です。審査員たちはその古典主義とタイムレスな永遠性を賞賛しています」とコメントを寄せている。
また、今回は優勝者に加え、2人の特別賞も決定。1人目は、車用タイヤから再生したコットン製の細布を用いて、先史時代の化石を思わせる立体作品を制作したフランスのテキスタイル・アーティスト、シモーヌ・フェルパン。
そして2人目は、岐阜県を拠点とする陶芸家の桑田卓郎。釉薬が塗られた磁器のフォルムに質感ある金属をダイナミックに組み合わせた作品について、審査員は「彼は典型的で伝統的はセラミックを逸脱し、新しい世界を指し示しました」と評している。
ファイナリスト30名の各作品は2018年5月4日から6月17日まで、ロンドンのデザインミュージアムにて展示されている。