未来の子供たちへ。
かこさとしの活動を振り返る過去最大規模の展覧会が開催へ
『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』などで知られ、半世紀以上にわたって多数の絵本を発表してきた川崎市ゆかりの絵本作家、かこさとし。今年5月2日、92歳で惜しくも逝去したかこの創作の秘密にせまる展覧会が開催される。会期は7月7日~9月9日。
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かこさとしは1926年福井県武生市(現・越前市)生まれ、東京帝国大学(現・東京大学)卒業。工学博士であり、技術士としての活動と児童文化の研究を並行して行った。
50年代には、地域住民の生活向上のための助力をするセツルメント活動を通して川崎市の子供たちに創作指導したほか、自ら紙芝居や幻灯を制作。その後の作家活動の大きな糧となった。
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59年『だむのおじさんたち』で絵本作家としてデビュー。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』『どろぼうがっこう』といった代表作のほか、『かわ』『海』などの科学絵本を手がけ、著書は600点以上にのぼる。
複製原画を中心に200点以上が集まる本展では「見る」「知る」「学ぶ」「食べる」のキーワードで、絵本作家としてデビューして以後の作品を紹介。幼少時代から大学時代まで、かこの活動を写真パネルなどで紹介し、子供達と一緒に描いたスケッチなども展示する。
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担当学芸員は開催にあたって「かこ先生は本展のことを大変気にかけてくださり、川崎での開催をとても楽しみにされていたので残念でなりません。本展は図らずも回顧展のかたちとなりますが、哀悼の意を込めて開催させていただくことにいたしました。謹んで心からご冥福をお祈り申し上げます」とのコメントを寄せている。
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会期中、館内ではかこに感謝を伝える場として「いつまでも いつまでも かこさとしさん」設置。かこの記録映像を見られるほか、メッセージを書くこのコーナーは、誰でも自由に来場できる。またメッセージは後日、加古総合研究所へ届けられるという。
大人から子供まで幅広い年齢層が楽しめる、明るい展示になるという本展。90歳を過ぎても、子供たちに絶えずメッセージを発信し続けたかこの活動を振り返ることで、作家像そのものに迫るものになっている。
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