「豊かな不都合」展が四谷で開催。東京都渋谷公園通りギャラリーによる「移動する港」シリーズの第1期
東京都渋谷公園通りギャラリーは、共生社会の実現を目指して2017年に暫定開設した。現在、同ギャラリーは19年度にリニューアルオープンする予定。18年度は施設外で展覧会「移動する港」シリーズを都内3会場で開催するという。その第1期となる展覧会「豊かな不都合」の詳細が発表された。四谷三丁目ランプ坂ギャラリーにて、会期は8月14日〜28日。
2017年に開館した「東京都渋谷公園通りギャラリー」は、 東京都と連携して芸術を通じた共生社会の実現を目指した事業を実施してきた。
現在同ギャラリーは改修中で、19年度にリニューアルオープンを予定している。
そのリニューアルに先立ち、18年度は施設外において展覧会「移動する港」が都内3会場、全3期にわたって開催される。各地から船が乗り入れ、多くの文化が交差し続ける港のように、様々なタイプの表現と鑑賞者が出会う場の創出を目指す、新たな企画だ。
その全3期のうちの第1期となる「豊かな不都合」が、四谷三丁目ランプ坂ギャラリーにてスタートする。本展では、「人が生活のなかで経験するうまくいかない事柄」がテーマ。言葉による行き違いや、思い通りにならない身体、理想と現実のギャップなど、社会や他者、自分自身のなかで生じるズレを「不都合」と呼び、その不都合さを解消するための創意工夫に着目する。
うまくいかない事柄を豊かな創造性の契機として見つめながら、社会との関係から生まれる豊かな表現や、固定観念を問う作品を紹介する本展。参加作家は、即興からめーる団、関川航平、檜皮一彦、榎本高士の4組。
会話や身体といった身近な事柄を取り上げる活動・作品として、障害の有無によらず、多様な人とうたをつくるワークショップを主催する即興からめーる団、一貫して「意味の伝達」を問い続ける関川、自身も利用する車椅子を素材に作品を組み上げる檜皮、そして障害者の創作活動を支える 「やまなみ工房」から、本人にしかわからないリズムを絵によって共有する榎本の作品が紹介される。
また、本展では新作の公開やワークショップも多数開催予定。こちらも合わせて注目したい。