フェルメール展、東京限定で追加作品の出展が決定。《取り持ち女》を日本初公開へ
今年10月5日から東京・上野の森美術館で開催される「フェルメール展」。すでに過去最多となる8点のフェルメール作品が並ぶことで話題を呼んでいる同展に、追加作の出展が発表された。追加されるのは《取り持ち女》(ドレスデン国立古典絵画館蔵)。
10月に開催される上野の森美術館の「フェルメール展」は、フェルメールの現存作品35点のうち8点が展示されることで大きな話題を集めている。
これまでに明らかにされている出品作は、《牛乳を注ぐ女》《マルタとマリアの家のキリスト》《手紙を書く婦人と召使い》《ワイングラス》《手紙を書く女》《リュートを調弦する女》《真珠の首飾りの女》《赤い帽子の娘》。なかでも《ワイングラス》と《赤い帽子の娘》は日本初公開となるが、ここに新たな1点《取り持ち女》が加わることとなった。
《取り持ち女》は1656年にフェルメールが手がけた初期作のひとつ。それまで宗教画、物語画に取り組んでいたフェルメールが初めて描いた風俗画だ。
当時、キリストが説いた例え話「放蕩息子」を発端に、娼家を舞台にした絵が数多く制作され、フェルメールもそうした時流のなかでこの絵を制作した。フェルメール作品は、現存作品の3点のみに年記が残っており、本作の右下には画家のサインと共に制作年も記されている。ドレスデン国立古典絵画館蔵の本作はこれが日本初公開となる。
本作は2019年1月9日~2月3日までの期間限定展示。これを加えると、過去最多をさらに更新する9点のフェルメール作品が東京展に出展されることとなる。
なお、本作は大阪展でも出品され、同展では大阪展限定の《恋文》など6点が並ぶ。