京都市立芸術大学の移転計画、2023年に向けた基本設計が明らかに
2023年度より京都駅東側の崇仁地域へ移転整備される京都市立芸術大学。その基本設計が発表された。
京都市立芸術大学は1880(明治13)年に日本初の公立の絵画専門学校として創設された「京都府画学校」を起源とし、国内外の芸術界・産業界で活躍する人々を輩出してきた。
1980年から現住所の西京区大枝沓掛町を拠点とする京都市立芸術大学だが、2014年、京都市は同大学を京都駅東側の崇仁地域へ移転整備することを発表。そしてこの度、その基本設計が発表された。
京都駅側の地区(C地区)、中間の地区(B地区)、鴨川沿いの地区(A地区)の計約3万4600平米が使用される今回の計画。おもな整備内容としては、クラシック演奏会やオペラのほか、幅広い演目に対応可能な約800席のホールを整備し、現在は中京区押油小路町に位置する京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAも移転する。
また、芸術図書・資料の収蔵や展示機能を充実させるとともに、開かれた芸術の研究・発信拠点を目指し、高瀬川沿いのオープンスペースや、柳原銀行記念資料館を活用し、地域との交流・連携も進められるよう整備されるという。
そして今回、京都市立芸術大学とともに京都市立銅駝美術工芸高等学校も同地域に移転。A地区の3階屋上に整備されたグラウンドでは、既存体育館を改修・整備し、大学・高校がともに利用できるものとになり、共有工房が設けられる。
公募型プロポーザルを経て基本設計を受託したのは、乾久美子建築設計事務所を代表者とする「乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同体」。工事は2020年度から工事が始まり、23年度より施設の使用スタートが予定されている。
京都市は今回の移転によって、同大学の世界へ向けてより一層の飛躍し、この地域が「文化芸術都市・京都」の新たなシンボルゾーンとなることを目指しているという。