カテランの「バナナ」がTシャツへ。売却益は飢餓救済組織に寄付
昨年12月のアート・バーゼル・マイアミ・ビーチで物議を醸したマウリツィオ・カテランの「バナナ」はまだ記憶に新しい。同作を展示したギャラリー・ペロタンが、同作のTシャツの販売をスタート。売却益は飢餓救済組織に寄付されるという。
昨年12月のアート・バーゼル・マイアミ・ビーチで現代アーティスト、マウリツィオ・カテランが発表して物議を醸した作品《Comedian》は記憶に新しい。
1本のバナナを灰色のスコッチテープで壁に貼り付けた同作は、3つのエディションが12万ドル(約1300万円)〜15万ドル(約1600万円)の価格で売却。また、フェアの閉幕を目前に、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、デビッド・ダトゥナがそのバナナを壁から剥がし、ブース内で食べるという“事件”が発生し、大きな話題を集めた。
その後、Instagramではこの作品をパロディにした「#cattelanbanana」が誕生し、ユーザーは様々なものをスコッチテープで壁に貼り付けた写真や、同作をイメージにした服装のデザインなどを発表。別の盛り上がりを見せた。
そして今月、同作を展示したギャラリー・ペロタンが、この《Comedian》のTシャツの販売をスタートさせた。同ギャラリーのニューヨーク支店の書店とオンラインストアから購入可能。価格は22.5ユーロ(約2700円)。
15万ドルという高額な「バナナ」に対し、マイアミの低賃金労働者たちが先月、バナナをTシャツにテープで留めて抗議を行い、「バナナは私たち以上の価値がある」と不満を表した。今回のTシャツはおそらくそれに反応するためのものだと思われる。ペロタンは今回のTシャツによる売却益を、マイアミのパームビーチ郡、ブロワード郡、マイアミ・デード郡、モンロー郡でサービスを提供している飢餓救済組織「Feeding South Florida」に寄付するという。