ワタリウム美術館がクラウドファンディングを開始。来館者減少で「危機的な状況」
東京・神宮前の私設美術館「ワタリウム美術館」が、新型コロナウイルスによる来館者減少でクラウドファンディングを実施。運営資金を募っている。
日本の現代美術館として重要な位置を占めるワタリウム美術館が、CAMPFIREにおいて運営資金を募るキャンペーンをスタートさせた。
和多利家が1990年にオープンさせたワタリウム美術館は、プライベートミュージアムとしてこの30年間でアンディ・ウォーホルやキース・ヘリング、ナムジュン・パイク、ヨーゼフ・ボイスといったいまやビッグネームであるアーティストをはじめ、若い日本のアーティストなどもいち早く紹介してきた。その展覧会回数は102回を数える。
しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年3月からの来館者数は例年の半分以下に減少。キャンペーンサイトでは、休館こそしてこなかったものの、「実際は開館休業状態」が続いてきたとしている。
ワタリウム美術館は個人経営のため、その収入源はチケット収入。それゆえに、来館者数の減少は「美術館の今後を左右する危機的な状況」を招いているという。
そこで同館では、クラウドファンディングを通じて、今後予定されているふたつの展覧会「生きている東京展」(9月5日〜2021年1月30日)および「水の波紋2021展」(21年2月6日〜5月31日)の制作費(作品輸送費、展示作業日、印刷物作成費、作品保険料など)のほか、美術館運営費(受付人件費、会場運営人件費、光熱水費、通信費など)、ワタリウム映像アーカイブのための映像デジタル化・編集費・配信費用への寄付を呼びかけている。
目標金額は500万円で、3000円から100万円まで支援が可能。リターンには「キース・ヘリング展」(1983年、キース・ヘリング初来日時)ポスター(5万円コース)や、JRのリトグラフ作品(15万円コース)、ヨーゼフ・ボイスのシルクスクリーン作品(15万円コース)、キース・ヘリングの版画作品(100万円コース)など、貴重な品々がラインナップされている。詳細はファンディングサイトを参照してほしい。
追記:8月26日19時45分現在で支援総額は516万5000円に達している。