アメリカで接種された最初のコロナワクチン、スミソニアン博物館のコレクションに
アメリカ・スミソニアン博物館に属する国立アメリカ歴史博物館が、アメリカで接種された最初の新型コロナウイルスのワクチンに関する資料をコレクションに追加した。
2020年3月11日に世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症をパンデミックと宣言してから1年。このタイミングで、アメリカ・スミソニアン博物館に属する国立アメリカ歴史博物館が、アメリカで接種された最初の新型コロナウイルスのワクチンに関する資料を収蔵したことがわかった。
ニューヨークに拠点を置くノースウェル・ヘルス社の集中治療看護師サンドラ・リンゼイは、昨年12月14日にアメリカで最初に認可されたファイザー・バイオンテック社のワクチンを接種。その空の小瓶をはじめ、ワクチンの配布やワクチン接種を奨励する取り組みに関連した物品が、ノースウェル・ヘルス社によって国立アメリカ歴史博物館に寄贈された。
また、ノースウェルで接種されたワクチンの小瓶、希釈剤、注射器、接種記録カードのほか、ワクチン接種の準備・注射・追跡に関連した資料、温度を監視・維持する特殊なワクチンの輸送資材なども、今回の寄贈品に含まれている。
同館館長のアンシア・M・ハーティグは、声明文で次のように述べている。「アメリカにおける新型コロナワクチンは、緊急の審査と承認を経て、前例のないスピードで提供が開始された。これらの歴史的な資料は、驚くべき科学的進歩を記録しているだけでなく、COVID-19による連鎖的な危機のなかで生きる何百万人もの人々に提供された希望も表している」。
収蔵にあたって同館は、昨年4月に新型コロナウイルスに関連した科学的・医学的資料や、ビジネス、仕事、政治、文化の分野での影響と対応を記録する資料を収集するためのチームを結成。また、一般市民からもコロナ禍に関する個人的な物語などを集めている。
なお、イギリスのロンドン博物館も昨年から新型コロナウイルスに関連する資料を収集。コロナが夢に与えた影響を探り、ロンドン市民がコロナ禍に見た夢を収集するという「睡眠の守護者」プロジェクトを行っている。