2022.8.30

さいたま国際芸術祭2023、テーマは「わたしたち」に。目[mé]がディレクション

現代アートチーム・目[mé]がディレクターを務める「さいたま国際芸術祭2023」。そのテーマとロゴが発表された。

「さいたま国際芸術祭2023」ロゴ
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 2023年10月7日~12月10日の65日間にわたり開催予定の「さいたま国際芸術祭2023」。そのテーマとロゴが発表された。

 さいたま国際芸術祭は次回で3回目。ディレクターは、アーティストの荒神明香、ディレクターの南川憲二、インストーラーの増井宏文を中心とする現代アートチーム・目[mé]が務める。

 テーマとなるのは「わたしたち」。目[mé]はこのテーマについて、次にようなメッセージを寄せている。

あなたにとって「わたしたち」とは、誰を指すだろう。
日本を代表する「生活都市」さいたま。人々が日本の中心地へ向かい、そして戻ってくる 場所。中心へ、あるいは発展の一途へと脈々と続けられる人間の行動を、とても間近に、そしてそっと側から眺める都市。確たる「主体」というような、積極的な視点からは少しだけ身を引いた、漠然とした感性のあわいが留まる地。この地域には語りきれないほど多 種多様の魅力がある。しかし、それをこうだと決定づけようとした瞬間、何かふっと大切なものが失われてしまう、そんな感覚を伴うことがある。いつの間にか加担してしまうこの現実世界から少し距離を取るために、私が尚も「わたし」であり続けるために、決して誰かに明確に語られることなく、とても密やかに日常に繰り広げられる、人間の「無自覚」 への微かな抵抗。
この客体的な空間 さいたま から、芸術祭を、そして都市を、更にはこの世界を、もう一 度「みる」。気候変動、社会格差、分断、戦争。現代社会を取り巻く、もはや私たち自身 の加害性を抜きに語ることのできない様々な問題。この時代を生きる私たちは、一体どのように「わたし」の延長線上に、この世界を捉えることができるだろう。あらためて、私たちが「わたしたち」をみる。そんな機会を、このさいたまの地から届けたい。

 「わたしたち」 というテーマを受けロゴを制作したのは高田唯(Allright Graphics)。最小単位の「ドット=わたし」をロゴ化したもので、個々が集まり、ひとつのムーブメントをかたちづくる、ということを表現。ロゴは固定されたものではなく、随時変化・変容するという。

和文ロゴ

 さいたま国際芸術祭2023のメイン会場となるのは旧市民会館おおみや。国内外で活躍するアーティストによる現代美術や音楽、ダンス、演劇などを展開する「アートプロジェクト」、市民が主体的に参加できる「市民プロジェクト」、市内各所で行われる「連携プロジェクト」で構成され、第1弾招へいアーティストは今年秋頃の発表が予定されている。