2022.10.14

環境活動家がゴッホの《ひまわり》にトマトスープを投げつけ。作品は無傷

環境活動団体「Just Stop Oil」のメンバーが、ロンドンのナショナル・ギャラリーでゴッホの名作《ひまわり》にトマトスープと見られる液体を投げつけるという騒動を巻き起こした。

Just Stop OilのTwitterより

 10月14日午前(ロンドン時間)、環境活動団体「Just Stop Oil」のメンバーが、ゴッホの名作に対しトマトスープと見られる赤色の液体を投げつけるという騒動を巻き起こした。

 現場となったのは、ロンドンのナショナル・ギャラリー。展示されていたゴッホの《ひまわり》(1888)に対し、2人の活動家が突然液体を投げつけた。その様子はTwitterで動画として投稿されており、周囲からは「Oh my god」の声が上がっているのが聞こえる。

 ナショナル・ギャラリーはこの事件後即座に声明を出し、額縁に若干の損傷があるものの、作品自体は無傷であることを発表。またこの2人の活動家は逮捕されたという。

 同団体はイギリス政府に対して「すべての石油・ガスの新規開発中止を合意すること」を要求しており、今回の行為もその一貫と見られる。同団体のInstagramアカウントでは、この動画とともに「Just Stop Oil支持者は芸術より命を選ぶ」としたテキストを投稿。「人間の創造性と輝きはこのギャラリーに展示されているが、我々の遺産は、気候や生活費の危機に対して政府が行動を起こさないことによって破壊されつつある」「 気候と社会の崩壊によって失われる何百万人もの命を守らないのに、なぜこれらの絵画を守るのでしょう?」などと綴っている。

 なお美術作品が環境活動家の「標的」となるケースはこれだけではない。今年5月には、ルーヴル美術館で老婆に扮した男が《モナ・リザ》のガラスケースにケーキを投げつけるという事件が発生。犯人は「地球のことを考えろ」と、環境保護を主張していた。