草間彌生が文化勲章を受章
「草間彌生の生き様を見てほしい」
前衛芸術家・草間彌生が今年度の文化勲章を受章することが明らかになり、都内の事務所で記者会見を開いた。
草間彌生は1929年生まれ、現在87歳。2016年4月には『タイム』誌の「世界で最も影響力のある100人」に日本人として唯一選ばれるなど、世界的に高い影響力を持っている。
草間は10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始め、水彩、パステル、油彩などを使った幻想的な絵画を制作。57年に渡米後は、平面作品やソフトスカルプチャーなどを発表し、60年代後半にはボディ・ペインティングなど多数のハプニングを行ったことでも知られている。その後、73年に帰国してからは、美術のみならず小説や詩集なども手がける。93年にはヴェネチア・ビエンナーレに日本代表として参加。以降、ニューヨーク近代美術館やテート・モダンなど、世界各国の美術館・ギャラリーで個展を行い、2017年2月には国立新美術館で過去最大級となる個展「草間彌生 わが永遠の魂」を開催する。
これまでの主な受賞・受章は第50回芸術選奨文部大臣賞(00年)、紺綬褒章(02年)、フランス芸術文化勲章オフィシェ(03年)、旭日小綬賞(06年)、第18回高松宮殿下記念世界文化賞(同)、文化功労者(09年)など。
今回の文化勲章受章について草間は「大変感激しております。今後とも草間彌生の生き様を見ていただきたい。私は多くの人々が私の芸術を見てもらうことに全てを賭けています。どうぞ草間彌生をよろしくお願いします」と記者団に向かって挨拶を行った。
現在、個展に向けて、週6日、1日9時間にわたり絵を描き続けているという草間。「毎日オリジナルの作品をつくるので、頭の中がいっぱいです。一生は一度しかありません、大いに戦っていきたいと思います」と、今なお激しく燃え続ける芸術への情熱をのぞかせていた。