前澤友作、マーク・ニューソンの記念碑的作品を1.2億円で落札
公益財団法人現代芸術振興財団は、10月25日にパリで開催されたオークション「ヘヴィー・メタル」セールで、同財団創設者であり、スタートトゥデイ代表取締役の前澤友作が、LOT No.13のマーク・ニューソン《ポッド・オブ・ドロワーズ》を102万ユーロ(約1億1580万円)で落札したと発表した。
マーク・ニューソンは、ロンドンを拠点に活躍するインダストリアル・デザイナー。2005年には『タイム』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出されるなど、現代のデザインシーンを代表する存在として知られている。今回落札された《ポッド・オブ・ドロワーズ》は、ジャン・プルーヴェやシャルロット・ペリアンなどによる、20の金属製の名品が集まるオークション「ヘヴィー・メタル」に、目玉作品として出品されたもの。
マーク・ニューソンがシドニー美術大学の卒業から間もない1987年に制作し、《ロックヒード・ラウンジ・チェア》に続く、キャリアの最初期に位置付けられる同作。現在ではニューヨーク近代美術館や、パリ装飾芸術美術館にも収蔵されるなど、ニューソンの主要作品の一つに数えられる。ヨーロッパ装飾芸術の流れを汲むニューソン。《ポッド・オブ・ドロワーズ》は、1925年にパリで開催されたアール・デコ博覧会で名匠アンドレ・グルーが「フランス大使夫人の部屋」のためにデザインした西洋だんす「シフォニア」 から着想を得たものだ。マーク・ニューソンを知る上で最も重要な作品であり、またミュージアム・ピースでもある同作の落札について、前澤は次のようにコメントしている。「トトロのようなシルエットに、手作業で張り付けられたアルミの質感がなんともいえない名作。早く撫でてみたいです」。
前澤はこれまでも自身のコレクションを展覧会で展示しており、同作についても、今後現代芸術振興財団が主催するいずれかの展覧会での展示が予定されているという。