ミュシャの代表作をNFTとして販売。「VIVE Arts」の新プラットフォームに注目
「VIVE Arts」が12月9日に公開した新しいアート取引プラットフォームで、アルフォンソ・ミュシャによるアールヌーヴォーの代表作をNFTとして販売するセール「Timeless Mucha(時を超えるミュシャ)」が12月17日より開催される。
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仮想現実(VR)プラットフォームである「HTC VIVE」によって2017年にローンチされたアートプログラム「VIVE Arts」が、12月9日に新しいアート取引プラットフォームを公開した。
ローンチ記念としては、ミュシャ財団と提携し、アルフォンソ・ミュシャが描いたアールヌーヴォーの代表作をNFTとして販売するセール「Timeless Mucha(時を超えるミュシャ)」を12月17日より開催する。
同セールとともに、12月18日〜2022年4月5日の会期でミュシャ財団主催の展覧会「Mucha to Manga – The Magic of the Line(ミュシャからマンガへ―線の魔術)」が台北の中正紀念堂で開催。展覧会期間中には各月の始めに新しいNFT 販売が行われ、「黄道十二宮」や連作「月と星」「ジョブ」などのシリーズのNFTが出品予定だ。
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また、22年4月には2週間にわたるスペシャルオークションが開催される。1912年にプラハ市に寄贈されたミュシャの壮大な連作「スラヴ叙事詩」の110周年を記念し、デジタルスタジオ「Nexus Studios」が制作した没入型VRアート作品《Slav Epic VR(スラヴ叙事詩VR)》(2019)のNFTが2点作成。1点はミュシャ財団に保管され、もう1点はVRヘッドセット付きで販売される。販売益はミュシャ財団の「使命の援助」に充てられるという。
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VIVE Artsのエグゼクティブ・ディレクターであるセリーナ・イェは声明文で、「このプラットフォームで私たちはブロックチェーン技術を用いて、デジタルクリエーション、イノベーション、そしてつながりの新しい可能性を切り開き、アーティストや団体へのサポートを強化したいと考えている」とし、ミュシャ財団とのコラボレーションについて「世界中の人々が財団の所有する素晴らしいコレクションに出会い、多くの人に愛されるアルフォンソ・ミュシャの絵画をNFTのかたちで手に入れることができるようにする」とコメント。
ミュシャ財団のエグゼクティブ・ディレクター、マーカス・ミュシャは、「この協働により、祖父の遺したアートを新しい芸術のかたちで存続させられる。この可能性に彼は間違いなくわくわくしているだろう」と述べている。
なおミュシャのNFT販売のほか、この新しいプラットフォームではカナダの映像作家マルコ・ブランビヤやメディアアーティストのナンシー・ベイカー・ケイヒルなど、世界中に活動しているアーティストたちのNFT作品を紹介する。