日本でいかに国際色豊かなアートフェアを実現できるか? 第2回の「Art Collaboration Kyoto」で見るその可能性
京都市の北部にある国立京都国際会館で、昨年初めて開催されたアートフェア「Art Collaboration Kyoto(ACK)」の第2回が開幕した。今年は国境開放により海外のギャラリストやコレクターの来場が実現でき、初めての本格的な開催と言える同フェアのハイライトを関係者の言葉とともにお届けする。
紅葉に染まり始めた秋の京都市。その北部にある国立京都国際会館で、第2回の「Art Collaboration Kyoto(ACK)」が開幕した。
昨年初めて開催されたACKは、日本国内のギャラリーがホストとして、海外に本拠地のあるギャラリーをゲストに迎え、ブースを共有して出展する「コラボレーション」が大きな特徴だ。第1回目は20軒以上の海外ギャラリーが参加したが、当時は日本でコロナの水際対策が続いていたため、海外のギャラリストやコレクターの来場は叶わなかった。その意味で、今年のACKは初の本格的な開催とも言える。
今年のメインセクション「ギャラリーコラボレーション」の出展者数は、昨年の22組(45軒)から29組(58軒)へとボリュームアップ。フェアのディレクターには、東京・銀座にあったギャラリー「THE CLUB」のマネージングディレクター・山下有佳子を迎えている。
昨年のACK会場でコロナ禍により「アート・ワールドがガラパゴス化している」と語った山下。今年は海外旅行の再開により「インターナショナルなアート界は多様化してきている」としつつ、「日本では、新しい世代のコレクターの方々がアート界に参入することで新しい空気が生まれ、さらにアート界が白熱を見せている」と、と美術手帖の取材に対して話した。
また、地元のコレクターの特徴について山下は、「30代や40代の方のアートに関する関心がとても強い。京都のカルチャーとして、コレクターが表立って作品を公開する機運はあまりないが、逆に言うと、その奥深さが魅力だと思う」としつつ、次のように述べている。「こうした昔から京都にいるアート愛好家の方に、ACKを通じて国際色豊かな作品の数々に触れていただくことで、その勢いをよくするお手伝いができればいいなと思っている」。