伝統的な大理石やブロンズ彫刻を、いかに現代に適応させるか?
三矢直矢の個展が神宮前で開催
大理石やブロンズ彫刻といった伝統的な手法を、現代の日本に生きる自らの立場で解釈し、制作を続けてきた彫刻家・三矢直矢の個展が東京・神宮前のnomadicaで開催される。会期は2018年4月28日〜5月6日。
三矢直矢は1984年東京都生まれの彫刻家。2011年に東京芸術大学美術学部彫刻科を卒業し、13年に同大学大学院美術研究科を修了、現在精力的に作品を制作・発表している。
西洋美術への憧れを原動力としながら、現代に生きる日本人である自らの立場で解釈し、大理石やブロンズ彫刻をいかに現代に適応させるかを主題に制作を続けてきた三矢の個展が東京・神宮前のnomadicaで開催される。
近年はバロック時代の彫刻と現代のポップカルチャーに共通する華々しさや造形表現にインスピレーションを受けているという三矢。16年に続き、2回目の個展となる本展では、新作を4点展示する。
新作では、彫像が持つ「象徴する」という機能に着目し、個人的な感情をブロンズの造形物として留めて保存したという。三矢は「彫刻の制作には時間を要するため、結果的にリアルタイムの感情ではなく2年ほど前の感情が表現されているが、瞬時に情報が手に入る現代において、そのタイムラグを逆手に取り、そこには不変の美や存在意義を宿している」と語っている。
注目の若手彫刻家による、彫刻と時間への挑戦の成果を見られる展覧会だ。