アジアの風土を体感する作品群。ちぇんしげの個展「《壽桃》壽レ桃」がガーディアン・ガーデンで開催へ
第22回グラフィック「1_WALL」のグランプリ受賞者・ちぇんしげが、東京・銀座のガーディアン・ガーデンで個展「《壽桃》壽レ桃」(もも まんじゅう ももヲ ことぶク *レはレ点)を開催。桃饅頭をテーマに、そこから広がるイメージの連続や、言葉遊びから派生する作品群を展示する。会期は2021年1月26日〜2月20日。
グラフィック界の次世代を担う若手を発掘し、グランプリ受賞者に個展開催の権利が与えられる公募展「1_WALL」。その第22回のグランプリ受賞者・ちぇんしげの個展「《壽桃》壽レ桃」(もも まんじゅう ももヲ ことぶク *レはレ点)が、2021年1月26日〜2月20日に東京・銀座のガーディアン・ガーデンで開催される。
ちぇんしげ(本名:重穎)は1993年台湾台北生まれ。国立台北藝術大学を中退し、武蔵野美術大学油絵学科を卒業したあと、現在は同大学修士課程に在籍中。これまで「石岡市芸術祭」(2017、フラワーパーク、茨城石岡)、「ムササビのアブラ」(2019、SHINBI GELLARY、東京新宿)、「日韓交流展」(2019、Daegu Catholic University Fine Arts、韓国大邱)、「簡単な ライフワーク」(2020、Gallery ULTRA、広島尾道)などの展覧会に参加してきた。
不確かさや曖昧さをテーマにした作品《《五円》なき衆生は度し難し》でグランプリを受賞したちぇんしげは、アジアの風土を糧とし体感した作品を多種なメディアを使って制作。また、言葉の不確かさや言葉自体への疑いを起点に、異なるレイヤーのつながりからモチーフを展開する作品は、信じることから物事が立ち上がることや、余白から新たな創造が生まれることを意図している。
今回の個展では、「桃饅頭」をテーマとして、そこから広がるイメージの連続や、言葉遊びから派生する作品群を展示。その桃饅頭のモチーフについて、審査員の長崎訓子は「絵のふりをした桃饅頭を描く彼の後ろに壮大なアジアの砂漠が見えた」と評価している。
本展について、ちぇんしげはステートメントでこう記している。「百均の霧吹きでしゅっしゅっと桃色をかけて手軽に入手できる寿はとうてい桃の不在にご興味がなさそう。寿は心の底から桃に感謝するいっぽう桃の永遠の不在を願っている。あ と んの間に行き来する桃色は、媒介。私の気分は、無問題。居場所がなくて、万万歳」。
なお会期中の2月4日には、グラフィックデザイナーの菊地敦己をゲストに迎え、余白をテーマにした対談イベント「私はあらゆる事象中にてぶれる傍らゆとりを詮索するべき」を開催。受賞から約1年後の個展を作家が語る言葉とともに体験してほしい。