次代を担う5人の作家を公開審査。第24回グラフィック「1_WALL」展がガーディアン・ガーデンで開催へ
グラフィック界の次世代を担う若手を発掘する公募展である第24回グラフィック「1_WALL」展が、10月1日〜11月2日に銀座のガーディアン・ガーデンで開催。会期中の10月21日にはオンライン上のライブ配信によって公開最終審査が行われ、グランプリが決定する。
グランプリ受賞者が個展開催の権利を与えられる、35歳以下を対象とした公募展「1_WALL」。その第24回グラフィック「1_WALL」展が、10月1日〜11月2日に銀座のガーディアン・ガーデンで開催される。
グラフィック「1_WALL」展は、ポートフォリオ審査による1次審査と、一対一で審査員と対話をする2次審査を通過したファイナリスト5名が、ひとり1壁面を使って作品を発表するグループ展だ。ファイナリストによるプレゼンテーションの後、10月21日には公開最終審査会が行われ、審査員による議論を経てグランプリが決定する。グランプリ受賞者には、1年後の個展開催の権利と、個展制作費 30万円が贈られる。
今回、ファイナリストに選出された5名とその作品を紹介したい。
柿坪満実子
1993年生まれ。東京藝術大学大学院彫刻専攻在籍。今回の出品作品《someday somewhere》では、テラコッタなどの立体造形やドローイングで人の気配を表現した。作品については以下のようにコメントしている。「もう此処にはいない誰かを思うときに、景色や物を辿ることでその人とまた会うことができる。いつかどこかで見た景色や日常のものに宿る人の気配。不確かで曖昧な人の肖像」。
佐川梢恵、森野真琴
1997年生まれ。 女子美術大学ヴィジュアルデザイン専攻卒業。作品名は《REM》で、架空の人物である森野真琴と自身というふたりを通じてコミュニケーションを試みた。作家コメントは以下。「 森野真琴は架空の人物である。 コミュニケーション不全を私、佐川梢恵は森野真琴、あなたに試みる。いつもどこかに感じながら、 コミュニ ケーション未満の行為を試みる」。
髙橋美乃里
1994年生まれ。多摩美術大学油画専攻卒業。《Fossils of shelves》は「物の形が変わること」をテーマに制作された。髙橋は「遺跡のように時間経過で物のかたちが変わることや、日常的に使っている物の利便性が失われた時のかたちに最近はとくに興味がある」という。
松浦知子
1992年生まれ、アトリエe.f.t.所属。日々変わりゆくことの寂寥感を、平面や立体作品、映像で表現する。参加作品は《それはたしか》。松浦は自身の制作について次のようにコメントしている。「私は日々生きていて、ひゃ~っと色んなことを感じたりしています。そんな感じたことたちをなるべく純度高めで表現したいなあ!と思って作品をつくっています」。
汪駸
1990年生まれ。多摩美術大学大学院博士後期課程グラフィックデザイン領域在籍。平面と動画、 2Dとアルファベットをテーマに、静と動の3D表現を探ってきた。今回の作品は《A-Z》。「遊び心を持ちながら、 日常に見るものや想像するものと文字のかたちを組み合わせ、自分らしい文字のあり方を探っ た。 3D、有機と無機、アルファベットの面白さが蘇る」。
今回のグラフィック部門の審査員は、アートディレクター/グラフィックデザイナーの上西祐理、ウェブ・デザイナーの田中良治、イラストレーターの長崎訓子、グラフィックデザイナーの服部一成、編集者の室賀清徳が務めた。
なお、本展はギャラリー入口で体温測定、手指消毒、マスク着用を実施。来場者同士の距離を2メートル確保するほか、37.5度以上の発熱や、咳・咽頭痛、全身倦怠感などの症状がある場合の来場は控えるように周知している。また、来場者多数の場合は入場制限を行うこともある。