日本のアート業界の底上げを狙う。「ART JOB FAIR」が第2回の開催に向けてクラウドファンディングをスタート
今年1月に初めて開催されたアートの働き方に特化したジョブフェア「ART JOB FAIR」が、第2回の開催に向けてクラウドファンディングをスタートさせた。募集期間は7月31日まで。
コロナ禍の文化芸術の担い手の雇用や育成の課題解決を目指し、今年1月に初開催された、アートの働き方に特化したジョブフェア「ART JOB FAIR」。2024年に第2回の開催に向けてクラウドファンディングが実施されている。
同フェアを企画したのは、「瀬戸内国際芸術祭」の準備や直島、豊島、犬島の美術館の立ち上げなど様々な地域のアートプロジェクトに長年に携わってきた高山健太郎によって設立されたアート事業会社の株式会社artness。初回の「ART JOB FAIR」を立ち上げるため、昨年もクラウドファンディングを実施し、結果的に162名から支援を得て、目標金額200万円を25パーセント上回る結果を達成した。
今年1月に開催された「ART JOB FAIR 2023」では、来場者と出展者双方の満足度は8割を超え、出展団体の9割が希望する人材との出会いがあり、来場した求職者の8パーセントがマッチングにつながったという。
初回の結果からは、同フェアがアート業界の人的基盤の強化につながることができたと言える。いっぽうで、「駅から会場が遠い」「会場のキャパシティが狭い」「ブースに入りづらい」という意見もあったという。それらの課題を改善し、アップデートするのが第2回だ。
次回の会場は、東京駅から徒歩3分の場所に位置する「東京ビル TOKIA 西側ガレリア」。約700平米の広大な空間では、より多くの来場者や出展者が一堂に集まることが可能になる。
また次回は、前回10社の出展から30社を目指しており、対面形式の出展ブース以外に、出展にかかる費用を抑えることができるライトな出展形式としてポスター出展形式を取り入れる予定。さらに学生や社会人を対象に、仕事探しや働き方に関する気軽な相談所を設け、またキッズスペースやキャリアップ講座を充実させることで、前回310名の来場者数から大幅増の1000名を目指す。
継続開催により同フェアは、仕事を辞めても新たな仕事に出会える場の創出や、少子化社会のアート業界の人材獲得、そして労働条件を引き上げるメカニズムなどのミッションを策定。それにより、「アートの仕事は不安定」という認識や実態を変え、よりよい業態への底上げを実現することを狙う。