Museum from Home:半蔵門ミュージアム「大和路の仏にであう─奈良に生きた写真家・永野太造と仏像写真─」展
新型コロナウイルスの影響で、会期途中で閉幕した展覧会や臨時休館となってしまった展覧会などの展示風景を紹介する「Museum from Home」。第6回は、開幕日が未定の半蔵門ミュージアム「大和路の仏にであう─奈良に生きた写真家・永野太造と仏像写真─」をご紹介します。
「大和路の仏にであう─奈良に生きた写真家・永野太造と仏像写真─」は、写真家・永野太造(1922〜1990)の作品を展示する。
奈良国立博物館敷地内の茶店兼売店・永野鹿鳴荘の3代目であった永野太造は、独学で写真を習得。奈良文化財研究所の草創期には、その調査に同行し、社寺の文化財を撮影。また、寺院や仏像の案内書の制作や、『奈良六大寺大観』『大和古寺大観』(ともに岩波書店)といった美術書籍の作成にも携わった。
永野が1950年頃から70年代にかけて撮影した6934枚のガラス乾板は、2015年に帝塚山大学へ寄贈。アーカイブ化が進んでいる。同展ではそのうち50点を高精細デジタル画像化して展示。作品を通じて、永野がとらえ続けてきた奈良の仏をたどることができる。
地下展示室では、南都七大寺の仏像写真を中心に展示。そのうち、興福寺《無著立像》、円成寺《大日如来坐像》、浄瑠璃寺《吉祥天立像》、聖林寺《十一面観音菩薩立像》、秋篠寺《伝伎芸天立像》の5点は実物と同じ大きさでプリントされている。
また、1階では東大寺「月光菩薩立像」、室生寺「十一面観音立像」、興福寺「阿修羅立像」などの近接撮影による写真が、2階では地域ごとにまとめられたガラス乾板の特色を生かした作品30点を展示。
さらに同展は、YouTube の「半蔵門ミュージアムチャンネル」で各階の展示を動画でも紹介しているので、こちらもチェックしてほしい。