NY伝説の写真家の2人展。アルフレックス玉川でモノクロ写真とインテリア空間の共演を楽しむ
20世紀のファッションフォトグラフシーンを代表するヘルムート・ニュートンと、写真家やミュージシャン、DJとして活躍しているニコラス・テイラーの2人展「WAS HERE」がアルフレックス玉川で開催されている。会期は12月26日まで。
アートとインテリアの心地よい関係を提案する企画「LIFE with ART project」のもと、ジャンルも表現も様々なアートイベントを開催しているアルフレックス。そのアルフレックス玉川では、2人の写真家、ヘルムート・ニュートンとニコラス・テイラーの写真展「WAS HERE」が12月26日まで開催されている。
ヘルムート・ニュートン(1920〜2004)は、『VOGUE』や『PLAYBOY』などのファッション誌の表紙を飾るなど、20世紀に活躍したファッションフォトグラファー。1920年、ドイツ・ベルリンで裕福なユダヤ人家庭に生まれたニュートンは、36年に女流写真家イヴァ(エルゼ・ジーモン)のもとでの修行を経て、38年にナチスの手を逃れるためドイツを出国。その後、シンガポールやオーストラリア、ロンドン、パリなどに移住し、晩年は主にモンテカルロとロサンゼルスで暮らしていた。
いっぽうのニコラス・テイラー(1953〜)は、フォトグラファーとしての活動とともに、ミュージシャンやDJとしても広く知られている。80年代、ニューヨークのクラブであるMUDD CLUBでジャン=ミッシェル・バスキアと出会う。2人は意気投合し、テイラーが撮影したバスキアのポートレートはいまも世界中のバスキア展にて貴重な資料として使用されている。また、80年代のニューヨークの「ノー・ウェイブ」シーンをリードしたバンド「GRAY」のメンバーとしても活動しており、現在はニューヨークを拠点に活動している。
本展では、そんな2人によるモノクロの写真約30点を展示・販売。なかでも、ニュートンの最⾼傑作である45点が収録された『プライベート・プロパティ・コレクション』より、イヴ・サンローランの美学を不滅にする意味をこめて撮られた《RUE AUBRIOT French Vogue Paris in 1975》や、ニュートンの希少なサイン⼊りオリジナルプリント作品などが並ぶ。
計算されつくした世界観を打ち出すニュートンの作品と対照的に紹介されているのはテイラーの作品。19歳のバスキアと出会った15分後に互いを撮影し合ったポートレートは瞬間の熱量やライブ感にあふれている。好対照な二人の作家のモノクロ写真が、アルフレックス玉川のインテリア空間をスタイリッシュに演出する。
一瞬を切り取り、永遠にその瞬間を保存させた2人。モノクロの世界から無限の可能性と自由を観る者に与える熱量と、アルフレックス玉川のインテリア空間との融合をぜひ会場で堪能してほしい。