EXHIBITIONS

Emerging Painter's Show - Summer 22 -

石井佑果 平野成悟 正村公宏 三浦紗和子

2022.07.23 - 08.07
 myheirloomでは「Emerging Painter's Show - Summer 22 -」を開催中。東京、京都、山形、愛知の各都市にそれぞれ拠点を置く4名の同世代ペインター、石井佑果、平野成悟、正村公宏、三浦紗和子にフィーチャーしたグループ展。

 本展は2021年から22年にかけて大学院を修了した作家、来年修了予定の作家で構成されている。マーケットシーンにおける局地的な流行や受賞歴などの評価軸から脱却し、技法・表現・作品世界に純粋な魅力を持つ新世代の作家を独自の観点で選出した企画展だ。

 とくに、地方の芸術大学を出てそのまま地元に拠点を置く作家の多くは、一部を除き東京を中心としたマーケットへのアクセス手段やコレクターからの作品認知の機会が限られている現状があり、今回はあえて作家の制作拠点となる都市を分散し、エリア毎に選出を行うことで、全国からの平等な選出を意識的に行ったという。

 石井佑果は1995年生まれ、⾹川県出⾝。2019年に多摩美術⼤学美術学部絵画学科油画専攻を卒業後、2022年に東京藝術⼤学⼤学院美術研究科修⼠課程油画専攻を修了した。楽譜やトランプ、古典的な静物画や⾵景画を連想させる様々なモチーフを扱い、緻密な編集作業を経て、絵画世界を構成している。

 平野成悟は1996年生まれ、⼤阪府出⾝。2019年に京都精華⼤学芸術学部造形学科洋画コースを卒業後、2022年に京都市⽴芸術⼤学⼤学院美術研究科修⼠課程油画専攻を修了した。昨年から、⽴体的に隆起させた画布の表情を、平⾯のイメージに変換する⽅法を⽤いた作品シリーズを継続的に制作し、ある種の閉塞性と開放性のはざまで、絵画を宙吊りにしようと試みている。

 正村公宏は2021年に東北芸術⼯科⼤学芸術学部美術科⽇本画コースを卒業し、現在は、同大学大学院の修士課程に在籍。実際に視認した事象が記憶になり、ナラティブなものとして⾃⼰のなかで変容し続ける様相に着⽬し研究を行う。また、記憶することが不可能な刹那の動作を⽤いることで、無意識の記憶に接続出来るのではないかと考え、制作では、⾝体運動をモチーフとしている。

 三浦紗和子は1996年生まれ、愛知県出⾝。2021年に愛知県⽴芸術⼤学美術研究科 油画・版画領域を修了した。⾔葉や⾳楽から着想し、ルネサンス期の様式を思わせる作風で、アクリルや胡粉、顔彩などを用いて詩的な作品を描いている。

 myheirloomでは今後も本企画をシリーズ化し、新世代作家の紹介をいち早く継続的に行っていくとともに、特定の作家に機会が集中しがちな閉塞感のある状況の打開を目指し、見応えのある展覧会運営を行っていく。また、彫刻や工芸といった分野も視野に入れ、ジャンルを横断しながら広く魅力的な作家にふれてもらえる機会の創出を目指す。