2025.2.26

「あいち 2025」、全参加アーティスト60組を発表。巡回展示「ポップ・アップ!」も開催

今年の秋に開催が予定されている国際芸術祭「あいち 2025」が、全参加アーティスト60組を発表した。

シモーヌ・リー Untitled 2023-24 © Simone Leigh, courtesy the artist and Matthew Marks Gallery
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 9月13日〜11月30日の79日間で開催される国際芸術祭「あいち 2025」。その全参加アーティストが発表された。

 同芸術祭は、これまで発表された36組に加え、新たに24組のアーティスト(現代美術23組、パフォーミングアーツ1組)が発表され、合計で60組のアーティストが参加することとなる。昨年の『ArtReview』によるアート界の影響力ランキング「Power 100」で1位に選出されたフール・アル・カシミが芸術監督を務め、「灰と薔薇のあいまに」というテーマのもと、世界中から集められたアーティストたちが、私たちが生きる環境について、様々な視点で物語を表現する予定だ。

アドリアン・ビシャル・ロハス Mi familia muerta (My Dead Family) 2009
Photo by Carla Barbero

 芸術祭の主な会場として、愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなかが使用される予定。フール・アル・カシミは今回の発表にあたり、次のようなコメントを寄せている。

今回の芸術祭では、人間と環境の間に浮上している様々な問題について、アーティストたちの芸術実践を通じて別の視点やアプローチから解きほぐしていく道を探ります。アートといってもその表現方法は実に多様であり、社会で起こっているさまざまな事柄と密接に結びついています。そうしたアートに目を向け、世界と向き合うことで、危機を乗り越えていくための糸口が見つかるかもしれません。

「あいち 2025」が会場とする名古屋市と瀬戸市には、これまで何度も足を運んでリサーチを重ねてきました。やきもので知られる瀬戸市では、陶土をはじめとする豊かな天然資源と人々の生活とが分かちがたく絡み合っていることも、今回のテーマの着想源になっています。幅のある考え方を持った素晴らしいアーティストたちとともに、国際色豊かな芸術祭を作り上げていきたいと思っています。9 月の開幕に向けて準備の真っ最中ですが、ぜひ多くの方にご来場いただければ幸いです。

 また、会期中には「ポップ・アップ!」という巡回展示が県内の4つの市町で開催され、参加アーティストのうち15組程度が作品を展示する。入場は無料で、豊田市(豊田市民芸館)、設楽町(旧設楽町立田峯小学校)、大府市(大府市歴史民俗資料館、大府市役所)、豊川市(豊川市桜ケ丘ミュージアム)の各会場で開催される。

西條茜 果樹園 2022
Photo by Takeru Koroda. Courtesy of ARTCOURT Gallery 森美術館蔵

 全参加アーティストの一覧は以下の通り。

 バゼル・アッバス&ルアン・アブ゠ラーメ、メイサ・アブダラ、ジョン・アコムフラ、ロバート・アンドリュー、浅野友理子、ミルナ・バーミア、Barrack(古畑大気+近藤佳那子)、マリリン・ボロル・ボール、ミネルバ・クエバス、エレナ・ダミアーニ、アフラ・アル・ダヘリ、プリヤギータ・ディア、ソロモン・イノス、シモーヌ・ファタル、札本彩子、ハイブ・アース、ウェンディー・ヒュバート、イキバウィクルル、カマラ・イブラヒム・イシャグ、加藤泉、川辺ナホ、ムハンマド・カゼム、是恒さくら、久保寛子、シモーヌ・リー、チャヌーパ・ハンスカ・ルガー、マユンキキ、シェイハ・アル・マズロー、宮本三郎、水谷清、諸星大二郎、ムルヤナ、ワンゲシ・ムトゥ、永沢碧衣、ダラ・ナセル、小川待子、大小島真木、沖潤子、太田三郎、クリストドゥロス・パナヨトゥ、panpanya、マイケル・ラコウィッツ、シルビア・リバス 、西條茜、ハラーイル・サルキシアン、佐々木類、バーシム・アル・シャーケル、ヤスミン・スミス、杉本博司、冨安由真、アドリアン・ビシャル・ロハス、山本作兵衛、ロバート・ザオ・レンフイ、AKN プロジェクト、ブラック・グレース、クォン・ビョンジュン、フォスタン・リニエクラ、オル太、セルマ&ソフィアン・ウィスィ、態変

フォスタン・リニエクラ My body, my archive 2023
Photo by Sarah Imsand