国際芸術祭「あいち2025」の前に。「底に触れる 現代美術 in 瀬戸」が開催中
2025年9月に開幕する国際芸術祭「あいち2025」。それに先駆け国際芸術祭「あいち」地域展開事業「底に触れる 現代美術 in 瀬戸 」が開催されている。会期は10月12日〜11月4日。
2025年9月13日〜11月30日の79日間にわたり開催される国際芸術祭「あいち2025」。現代美術への関心を高め、また次代を担う若手芸術家の発掘・育成を行うことで、その機運を醸成する国際芸術祭「あいち」地域展開事業「底に触れる 現代美術 in 瀬戸」が開催されている。会期は10月12日〜11月4日。
国際芸術祭「あいち」は「あいちトリエンナーレ」を前身とするもので、2022年の初回に続き、次回で2回目となる。今回はアラブ首長国連邦出身でシャルジャ美術財団理事長兼ディレクター/国際ビエンナーレ協会(IBA)会長を務めるフール・アル・カシミが芸術監督となり、世界各地から多様な作家が参加する予定となっている。
国際芸術祭「あいち2025」の会場は、名古屋市中心部の愛知芸術文化センターのほか、愛知県陶磁美術館、瀬戸市内が舞台。本年の地域展開事業は、会場のひとつである瀬戸市のまちなかで開催されている。
瀬戸は国内屈指のやきものの産地として知られており、古くから日本の陶磁文化において重要な役割を担ってきた。「底に触れる 現代美術 in 瀬戸」では、大きく「現代美術展」と「関連プログラム」の2つで構成されており、地域の施設や団体とも連携しながら、伝統を受け継ぐまちの様々な場所で展示やイベントを実施している。
現代美術展では、井村一登、植村宏木、木曽浩太、後藤あこ、田口薫、津野青嵐、波多腰彩花、藤田クレア、ユダ・クスマ・プテラ、光岡幸一の10組が参加。旧小川陶器店、古民家レンタルスペース梅村商店、瀬戸市新世紀工芸館、瀬戸信用金庫アートギャラリー、ポップアップショップ、松千代館、無風庵を会場に作品を展開する。
同展では、触れたり覗き込んだりしなければ見えてこないものをうつわや壺の「底」になぞらえて、現代美術を紹介。ときに作品を通じてわたしたちが普段目を向けていないものごとに気づかせたり、ものごとの奥底に潜んでいるものに触れさせたりする、アーティストたちの様々な「底」に触れる実践を目撃してほしい。
いっぽうの関連プログラムでは、アーティストトーク(10月12日)、アーティストワークショップ(10月20日、11月2日)、キュレーターと歩く(10月27日、11月4日)、キュレータートーク in 愛知県図書館(10月18日)、アーティストトーク in 瀬戸市立図書館(10月19日)、まぼろし夜市(10月19日)、瀬戸まちなか本の市(10月13日、14日)、シルクスクリーン体験(10月26日)、など多彩なプログラムを実施。また11月3日には、アーティスト・ASUNAによる100台以上にもおよぶオモチャ製キーボードによるサウンドパフォーマンス「100 Keyboards―MoireResonance by Interference Frequency 〜干渉音の分布とモアレ共鳴〜―」も行われる予定だ。それぞれの詳細は、公式サイトを参照してほしい。