EXHIBITIONS
沖潤子「よれつれもつれ」
KOSAKU KANECHIKAでは、沖潤子の個展「よれつれもつれ」が開催される。本展では新作11点を展示。
沖は、古い布や道具が経てきた時間、またその物語の積み重なりに、刺繍と自身の時間の堆積を刻み込み、紡ぎ上げることで、新たな生と偶然性を孕んだ作品を発表してきた。
山口県立萩美術館・浦上記念館にて2020年から1年間展示された個展「anthology」では、全国から寄せられた7000個あまりの糸巻きを用い、インスタレーション作品を新たに紡ぎ出した。その後、KOSAKU KANECHIKAで開催した個展「よびつぎ」では、「anthology」の出展作品に手を入れ直し、展示した。そこには新旧の時間が抱擁し合っている、と沖は言う。存在してきたすべてのもの、過ぎ去ったが確かにあった時間。いくつもの時間の層を重ねることで、違う風景を見つけるということが沖の制作の核にある。
本展のタイトルとした「よれつれもつれ(縒れ攣れ縺れ)」は、糸を用いる沖の制作過程をよく表すものであるだけでなく、作品の独創性の源泉にもなっているという。新作を発表する本展へ、沖は以下のステイトメントを出している。
「生まれてくる子の名前を考えている人がいて、自分の制作に名前をつけてみようと思った。私の針目はいつも、縺(もつ)れ、ひき攣(つ)れ、縒(よ)れている。よれつれもつれ。暗号みたいな言葉が降りてきた。人間の動作で云えば少しも歓迎されない様子をさすがくりかえし口にしていると作品にこめた時間が昇華するような気がしてくる。無手勝流の針目を今日からこう呼ぶことにした」。
沖は、古い布や道具が経てきた時間、またその物語の積み重なりに、刺繍と自身の時間の堆積を刻み込み、紡ぎ上げることで、新たな生と偶然性を孕んだ作品を発表してきた。
山口県立萩美術館・浦上記念館にて2020年から1年間展示された個展「anthology」では、全国から寄せられた7000個あまりの糸巻きを用い、インスタレーション作品を新たに紡ぎ出した。その後、KOSAKU KANECHIKAで開催した個展「よびつぎ」では、「anthology」の出展作品に手を入れ直し、展示した。そこには新旧の時間が抱擁し合っている、と沖は言う。存在してきたすべてのもの、過ぎ去ったが確かにあった時間。いくつもの時間の層を重ねることで、違う風景を見つけるということが沖の制作の核にある。
本展のタイトルとした「よれつれもつれ(縒れ攣れ縺れ)」は、糸を用いる沖の制作過程をよく表すものであるだけでなく、作品の独創性の源泉にもなっているという。新作を発表する本展へ、沖は以下のステイトメントを出している。
「生まれてくる子の名前を考えている人がいて、自分の制作に名前をつけてみようと思った。私の針目はいつも、縺(もつ)れ、ひき攣(つ)れ、縒(よ)れている。よれつれもつれ。暗号みたいな言葉が降りてきた。人間の動作で云えば少しも歓迎されない様子をさすがくりかえし口にしていると作品にこめた時間が昇華するような気がしてくる。無手勝流の針目を今日からこう呼ぶことにした」。