永井一正ポスター展

　「宇宙の中から奇跡的に地球ができ、微生物が生まれ、そして生き物たちのひとつとして人間が誕生した。そこには何か宇宙の法則、摂理があり、それを『かたち』にしていくこと―それがデザインの仕事である」とグラフィックデザイナー・永井一正は言う。自然に共通した感覚を重んじる彼のポスター作品が一堂に会す展覧会が永井ゆかりの姫路で開催される。

　1929年大阪に生まれ、実家を戦火で喪失し、戦後に姫路で中学・高校時代を過ごした永井は、東京藝術大学彫刻科中退後に50年代初頭よりグラフィックデザインの世界に身を投じた。53年に日本宣伝美術会会員、60年日本デザインセンター創立に参加ののち、時代の最先端で多くの企業や組織・国家事業のロゴ・シンボルマーク、ポスターデザインを世に送り出した。紫綬褒章受章を始め、多くの受賞歴を持ち、現在も精力的に制作を続ける。

　本展では、永井一正の初期から最新作までのポスター作品500点余りを一堂に展観。国境や時代を超えて人々にインスピレーションを与える永井作品の創造の源泉に迫る。