EXHIBITIONS

やんツー「機械の無意識、演算の外側」

NADiff a/p/a/r/t
2023.02.23 - 04.09

Untitled Drawing by a Device for ”Graffiti” #8 (pulled/broken) 2022 撮影:vvpfoto

 NADiff a/p/a/r/tで、美術家・やんツーの個展「機械の無意識、演算の外側」が開催される。

 やんツーは1984年神奈川県生まれ。セグウェイが作品鑑賞するインスタレーションや、機械学習プログラムを導入したドローイングマシーンなど、「描く」や「鑑賞する」など行為の主体をロボット/機械や環境などの外的要因に委ねることで人間の身体性、表現の主体性を問う作品を数多く制作している。

 文化庁メディア芸術祭アート部門において、第15回で新人賞(2012)、第21回で優秀賞(2018)を受賞。開催中の「六本木クロッシング展:2022 往来オーライ!」をはじめ、2人展「Art Meets 06」(アーツ前橋、2019)、「DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京、2018)、「Vanishing Mesh」(山口情報芸術センター[YCAM]、2017)など、全国各地で作品を展示してきた。
 
 本展は、やんツー初の作品集『yang02 works 2009-2022』(rin art association)の刊行に合わせて開催されるもの。同書には2009年からこれまでの活動について、作家自身の言葉と豊富な図録で網羅されており、畠中実や小田原のどかの論考も寄せられているという。

 会場では、やんツーの代表作であるドローイングマシンによって描かれた作品が、機械や外的要因に委ねながら壊され、剝がされ、別のドローイングで覆われるなどの手法を経て展示される。機械と人間の無意識下における理論を起点に制作作業が繰り返され、その先に問いを見いだそうと試みる空間となっている。