「芳幾・芳年―国芳門下の２大ライバル」

　三菱一号館美術館の長期休館前最後の展覧会として「芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル」が開催される。

　落合芳幾と月岡芳年は、最後の浮世絵師と呼ばれる画家。ともに江戸後期を代表する浮世絵師・歌川国芳の門下であり、幕末の風潮を反映した残酷な血みどろ絵の共作も行うなど良きライバルとして人気を二分した。

　のちに、芳幾は発起人として関わった「東京日日新聞」（「毎日新聞」の前身）の新聞に錦絵を描くようになり、芳年は国芳から継承した武者絵を展開して歴史的主題の浮世絵を開拓した。

　本展では、浅井コレクションをはじめとする貴重な個人コレクションを中心に、天下のライバル2人の画技を浮世絵版画や数多くの肉筆画から見比べることができる（会期中、一部展示替えあり）。
　　
　展示を通してはまた、浮世絵衰退の時代にあらがった二人の作品から、浮世絵の歴史についても知ることができるだろう。