荒川修作展 円筒を読む

　岐阜現代美術館で 「荒川修作展 円筒を読む」が開催されている。

　荒川修作（1936〜2010）は愛知県生まれ。ニューヨークを拠点として世界的に活躍した美術家であり、鑑賞者に意味と認識を巡る思考実験を促す 「意味のメカニズム」（1963～）によって世界的評価を確立した。

　自身の思索そのものがダイアグラム（図式絵画）として表現された作品において、荒川によれば色も線も形も普通の 「言葉」のように 「読む」ためのものであり、なかでも中心的なモチーフとして繰り返し用いられたのが円筒だった。

　本展では、荒川が自身の思想の先駆者として引いた作家たちの言葉を手掛かりに、円筒の現れる70年代以降の版画作品を読み解くことを試みている。