出会いと、旅と、人生と。ある画家の肖像 日本近代洋画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち

　兵庫県立美術館で、兵庫県ゆかりの洋画家・金山平三の生誕140年を記念して 「出会いと、旅と、人生と。ある画家の肖像 日本近代洋画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち」が開催されている。

　金山平三（1883〜1964）は兵庫県神戸元町生まれ。1909年に東京美術学校を首席で卒業。1912年から約4年間の欧州滞在を経て、1916年の第10回文展で特選第二席を受賞し注目を集めた。その後は文展、帝展を中心に作品を発表。審査員を務めるなど第一線で活躍するが、1935年の帝展改組とその後の混乱を機に中央画壇から身を引いた。以後も精力的に日本各地を旅し、四季折々の表情をみせる日本の自然風土を、傑出した筆づかいと豊かな色彩で描き続けた。

　1944年に帝室技芸員、戦後には日本芸術院会員となり、1964年に東京で没するまで数多くの作品を残した金山。後半生には中央画壇から距離をおいたがゆえに孤高の風景画家としてのイメージが強い画家だが、風景画だけでなく静物画や人物画も描いた。また、明治神宮聖徳記念絵画館に設置する壁画や芝居絵などの仕事も手がけており、同時代の画家たちとも親交があり影響を与えあう関係にもあった。

　本展では、いままで取り上げられてこなかった交友関係や足跡、壁画や芝居絵制作の取り組みなど様々な視点から金山の画業を紹介。近代日本美術に功績を残した画家、金山平三の創作の軌跡をたどる展覧会となっている。