北斎 大いなる山岳

　すみだ北斎美術館で「北斎 大いなる山岳」が開催される。

　富士山は、古くから信仰の対象であり、また浮世絵など芸術作品の題材として多く採用され、日本のみならず西洋の芸術にも影響を与えている。2013年に世界文化遺産に登録されてから、今年は10周年にあたる。

　浮世絵師・葛飾北斎（1760〜1849）は富士山をはじめ、現在でも百名山として人気の山から北斎と同時代に大坂につくられた人工の山・天保山に至るまで、日本列島各地のさまざまな山を描いている。こうした北斎の制作背景には、信仰や生業のために山に登ってきた日本人と山との深いつながりがある。

　本展では、北斎の描いた山を通して、山の信仰、生業、伝説や怪談を紹介し、日本人と山との関わりを見ていくとともに、北斎による多彩な山の表現とその魅力に迫る。