EXHIBITIONS
サイトウマコト「トーべ・ヤンソンのドキュメンタリーを観た後で。-杜(もり)の譜(うた)-」
タカ・イシイギャラリーで、サイトウマコトによる個展「トーべ・ヤンソンのドキュメンタリーを観た後で。-杜(もり)の譜(うた)-」が開催されている。
サイトウは、ルシアン・フロイドやフランシス・ベーコン、アントナン・アルトーなど、人間の狂気が刻み込まれた顔を主題としてコンピューター上で解体・再構成した網点状の設計図をつくり、そのデジタルデータに受肉させるかのようにキャンバス上に絵筆で描くポートレート作品で知られている。
本展では、新作ペインティング作品約6点を展示。有機的な形状の鮮やかな色彩がキャンバス上に配された新作は、これまでの作品とは試みが大きく異なる抽象絵画となっている。ある日の深夜、テレビで目にしたフィンランドの画家、小説家であるトーベ・ヤンソンのドキュメンタリーと、トロールやゴブリンが登場する北欧童話を娘に繰り返し読み聞かせた懐かしい記憶に触発され、森の精霊たちの誕生の様子が脳裏に浮かんだことが今回の新作へとつながった。
設計図をもとに膨大な時間をかけて描かれるサイトウのこれまでの作品には、すべての制作工程に作家の緻密な意図が介在していた。今回の新作はそれらとは対照的で、絵具は下地や隣接する別の色の絵具などの与えられた環境に反応して、作家も想像しない変化をおこし、大小無数の視覚物語が紡がれている。
サイトウは、ルシアン・フロイドやフランシス・ベーコン、アントナン・アルトーなど、人間の狂気が刻み込まれた顔を主題としてコンピューター上で解体・再構成した網点状の設計図をつくり、そのデジタルデータに受肉させるかのようにキャンバス上に絵筆で描くポートレート作品で知られている。
本展では、新作ペインティング作品約6点を展示。有機的な形状の鮮やかな色彩がキャンバス上に配された新作は、これまでの作品とは試みが大きく異なる抽象絵画となっている。ある日の深夜、テレビで目にしたフィンランドの画家、小説家であるトーベ・ヤンソンのドキュメンタリーと、トロールやゴブリンが登場する北欧童話を娘に繰り返し読み聞かせた懐かしい記憶に触発され、森の精霊たちの誕生の様子が脳裏に浮かんだことが今回の新作へとつながった。
設計図をもとに膨大な時間をかけて描かれるサイトウのこれまでの作品には、すべての制作工程に作家の緻密な意図が介在していた。今回の新作はそれらとは対照的で、絵具は下地や隣接する別の色の絵具などの与えられた環境に反応して、作家も想像しない変化をおこし、大小無数の視覚物語が紡がれている。