EXHIBITIONS

ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー| Small Works

2025.03.22 - 06.14
23
1

Janet Cardiff and George Bures Miller, Suitcase Theatre, 2020/2023

 銀座のギャラリー小柳で、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーによる個展「Small Works」が開催される。日本での展覧会は金沢21世紀美術館での回顧展以来約7年ぶり、ギャラリー小柳では2013年以来2回目となる。

 ジャネット・カーディフとジョージ・ビュレス・ミラーは共にカナダ出身で、アルバータ大学在学中の1983年に出会い、次第に共同制作を開始。本格的なコラボレーションは、暗い部屋を様々なオブジェで埋め尽くし、鑑賞者がその部屋の中で動くと音楽や話し声が聞こえてくる、1995年の《ダーク・プール》に始まった。その名前を一躍世に広めた「ウォーク」シリーズは、ヘッドフォンから聞こえるカーディフの声とモニターの映像に導かれ、街中などを歩いて巡る作品だ。以来、カーディフ&ミラーは「音」を核とし、映像やオブジェ、機械装置を用いた壮大なインスタレーションを発表してきた。

 本展では、展覧会タイトル「Small Works」にある通り、壁付の小さな作品を11点展示。主にファウンドオブジェを素材に組み立てたアッサンブラージュの作品で、新作7点を含むすべてが本邦初公開となる。

 不気味だがかわいらしい人形たちがシュールな小芝居を繰り広げる《スーツケース・シアター》や、偶然目に留まった科学雑誌の溺死に関する記事からインスピレーションを得たという《溺水のメカニズム》など、愛らしく、時に奇妙で少し怖い、ジャネットとジョージらしさ溢れる珠玉の作品群に注目したい。