田中里奈 - シークエンス

　多様な視点を取り込んだ絵画作品を制作し、活動の幅を広げつつある若手作家、田中里奈の個展が開催される。

　田中は1990年愛知県出身。イギリスのブライトン大学での交換留学を経験後、2011年に名古屋芸術大学を卒業。15年、トーキョーワンダーウォール公募で入選したほか、ホルベイン スカラシップで奨学生に選ばれるなどし、「アーツ・チャレンジ2015」（愛知芸術文化センター）では、絵画にとっては不利な条件下で、遠近や上下左右など、あらゆる視点からの鑑賞が可能な会場の特性を逆手に取った壁画で注目を浴びた。
　
　1枚の絵で様々な視点を追体験させられる田中の作品は、作家が経験したことが抽象的な図像によって再構成され、日常の風景をベースに描かれることで、動的でありながら煩わしさがない、不思議な爽やかさを伴って表現される。

　本展では、数点の新作絵画を発表。陶芸の森アーティスト・イン・レジデンスを通して試みた新たな一歩を紹介する。