EXHIBITIONS

棟方志功展~世界への序章 富山・福光時代~

2019.03.29 - 05.06

棟方志功 騎象普賢の柵 1949 雪梁舎美術館寄託

 日本を代表する版画家のひとり・棟方志功による、富山県福光町での疎開時代の取り組みに焦点を当てた展覧会が開催される。

 師と仰ぐ柳宗悦から、自我を超えたところに美が宿るという「他力の美」を学んだ棟方。戦況の悪化によって昭和20(1945)年4月に福光町(現・南砺[なんと]市)へ移住し、浄土真宗の教えが深く根づいた地で、宗教人や文化人らと交流した。自らの宗教・芸術観を深めた棟方は表現の幅を広げ、質量ともに豊かな作品群を生み出した。

 本展では、約7年におよぶ福光時代の作品を中心に紹介。多くが鹿児島初公開となる代表的な版画や肉筆画、書、油絵など約70点が並ぶ。なかでも、西方寺(愛知県)の襖に描かれた、迫力ある書と肉筆画《五智菩薩図》《御貝図》《御松図》が見どころとなる。