カラヴァッジョ展

　16世紀末ローマの芸術界に衝撃を与えた天才画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。カラヴァッジョは、貴族や聖職者のみならず、民衆を含めたすべての人々の感情を揺さぶる、劇的で生々しい表現を宗教や神話の世界に持ち込み、一躍時代の寵児となった。

　モデルや自然を緻密に見つめた迫真の写実、強烈な明暗表現、宗教や神話を題材としたドラマティックな場面の創出など、斬新な画風で、それまでの絵画表現に大きく革新をもたらしたカラヴァッジョ。その作品でとりわけ印象的な光と闇の効果は、同時代の画家たちと、レンブラント・ファン・レインやジョルジュ・ド・ラ・トゥールなど後世代に多大な影響を与えた。

　カラヴァッジョ展の開催は、東海地方では18年ぶり。日本初公開、名古屋会場のみでの展示となる《ゴリアテの首を持つダヴィデ》をはじめとしたカラヴァッジョ作品約10点（帰属作品を含む）と、同時代の画家たちの作品約30点を一堂に展示し、新時代を切り開いたカラヴァッジョ芸術の輝きと核心に迫る。