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植松奎二 「植松奎二『-見えない力と浮くこと-』」

© Keiji Uematsu Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 植松奎二(けいじ)は1969年の初個展以来、鉄や石、ガラスなどを用いた彫刻作品のほか、映像、写真、インスタレーションなどを制作してきた。75年に渡独した後は、欧州各地のギャラリーや美術館で個展を行うなど精力的に活動。88年にヴェネチア・ビエンナーレ日本代表に選出され、2013年には第38回中原悌二郎賞を受賞した。
 
 身体と空間の関係や、事物と事物の関係、そして重力や張力などの「見えないもの」を目に見える事物を通して可視化するという、植松の一貫したコンセプトに基づく作品群は、国内外で高い注目を集めてきた。現在は、日本とドイツにアトリエを構え、制作を行っている。

 本展は、植松が73年に発表した、石、板、ロープが精密なバランスで均衡するインスタレーション作品を、作家自身の手により再制作するもの。インスタレーションのほか、ドローイングや写真などもあわせて展示し、初期の植松の根幹となる思考を伝えると同時に、見えない「もの」や「時間」に対する一貫した関心のもとに持続してきた活動を振り返る。